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2017/4/3

不動産・住宅各社で入社式

 新年度を迎え、不動産・住宅各社が入社式を執り行なった。各社入社式での社長挨拶の要旨は、以下の通り(順不同、敬称略)。

三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏
三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏
住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏
野村不動産ホールディングス(株)取締役社長 沓掛英二氏
東急グループ 代表(東京急行電鉄(株)取締役社長) 野本弘文氏
東京建物(株)代表取締役 社長執行役員 野村 均氏
(株)大京代表執行役社長 山口 陽氏
(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 辻 範明氏
森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏
日本土地建物(株)代表取締役社長 平松哲郎氏
森トラスト(株)代表取締役社長 伊達 美和子氏
三菱地所レジデンス(株)取締役社長 脇 英美氏
三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 山代裕彦氏
住友不動産販売(株)代表取締役社長 田中俊和氏
東急リバブル(株)代表取締役社長 榊 真二氏
東京建物不動産販売(株)代表取締役 社長執行役員 加茂正巳氏
大和ハウス工業(株)代表取締役社長 大野直竹氏
積水ハウス(株)代表取締役社長 阿部俊則氏
積水化学工業(株)代表取締役社長 髙下貞二氏
トヨタホーム(株)取締役社長 山科 忠氏
ミサワホーム(株)代表取締役社長執行役員 竹中宣雄氏
三井ホーム(株)代表取締役社長 市川俊英氏
パナホーム(株)代表取締役社長 松下龍二氏
ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏

◆三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏

 入社おめでとうございます。皆さんを心から歓迎します。

 三井不動産グループの歴史は、日本の経済・社会の発展とともに、その時代の「パラダイムの転換」を捉えた、新たな「価値創造」の歴史なのです。その価値創造に果敢にチャレンジし、常に自らのビジネスをイノベーションすることが、当社グループのDNAとなっています。

 当社グループのコーポレートステートメントである「都市に豊かさと潤いを」は、人が暮らし、働き、憩う「都市」を豊かで潤いのあるものにするという強い意思を示したものです。グローバル化が進んだ現代において都市の魅力の高まりは、世界中から人材や資金、情報を集め、日本経済の活性化にも大きく貢献することになり、当社が担う役割は、その社会的な意義が大きなものとなっています。更に2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催は絶好の機会であり、「街づくりゴールドパートナー」として、当社グループの街づくりの魅力を世界に発信していきたいと考えています。

 また、グループビジョンで示す「&マークの理念」は、多様な価値観を「どちらか」「OR」ということで選択するのではなく、「どちらも」「&」として両立・共存させようというものです。多様性を受け入れ、常識的には価値観の対立するものでも、その相克を乗り越えて共存・共生させ、新たな世界を切り開いていくことを、経営の理念に据えているのです。

 最近のお客様の価値観の多様化に応えていくためには、当社そのものが、多様な価値観・多様な才能を持った人材が、その持てる力を最大限に発揮でき、多種多様な才能が、シナジーや化学変化を起こせる会社にならなければなりません。日本の経済・社会がますます成熟化し、激しく変化する社会のニーズに対応して、新たな価値創造をしていくためには、多様性を受け入れる象徴としての「&マークの理念」は非常に重要です。

 入社にあたり、皆さんに期待すること、心掛けていただきたいことは、以下の5点です。

 まず「自立した個人」になること。「自立した個人」として「会社のビジョン」に「自らの志」を重ね合わせ「自己実現」を果たしてください。

 二つ目は、「幅広い視野を持つ」こと。社会や経済の激しい変化のなかで、自らの可能性を最大限に伸ばしていくためには、「好奇心」や「ネットワーク力」、価値ある情報を選び取る「感性」が必要です。社内外・世代を問わず、「人との交流」「出会い」を大切にし、物事を見る視野・人間の幅を「外向き」志向で広げてください。

 三つ目は、「チャレンジスピリット」。仕事をしていくうえで、様々な困難に直面することがあります。そういう時こそ、当社グループのDNAであるチャレンジスピリットを発揮していただきたいと思います。

 四つ目は、「健全な心身を保つ」こと。常に心と体の健康を保てるよう、十分な自己管理を心掛けてください。

 当社は今、多様な人材が自分にあった働き方でその能力を最大限発揮できるよう「働き方改革」に取り組んでいます。労働時間に制約があるという前提で、限られた時間で最大限の成果をあげ、それ以外の時間は、家族と過ごす時間も含め「個人を豊かにする時間」に充てようというものです。それが、社員の人間としての幅、ひいては会社の組織としての力を拡大することにつながり、さらには社員の心身の健康を保つことにもつながると思います。

 そして最後は、「社会人としてのコモンセンスを持つ」こと。世の中の不祥事のほとんどは、常識の欠如に起因するものです。「コモンセンス」がしっかりしていれば、ごく自然にコンプライアンスの態勢がとれるはずです。

 不動産業は、社会的意義が大きく、人々に夢と感動を与えられる産業です。当社グループが、魅力あふれる企業グループであり続け、今後もたくましく成長していけるよう、共に頑張りましょう。

◆三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏

 当社には、時代が移り変わっても「守るべき」我々の原点、三菱三綱領( 所期奉公・処事光明・立業貿易) がある。英語に直せば、それぞれpublic、fair、globalだ。その考えをもとに、「まちづくりを通じて社会に貢献する」という当社グループの基本使命があことを心に留めておいて欲しい。

 当社は今年度中に「大手町パークビルディング」に本社移転を行うため、現本社で入社式を行うのは今年が最後になる。世の中では「働き方改革」に注目が集まっており、当社も新しいオフィスのあり方を構築してテナントに発信していきたいと考えている。今までのオフィス環境に囚われない皆さんの新しい発想を是非活かして欲しい。

 本日から当社グループの一員として仕事に取り組む上で、次の4点を大切にしてほしい。

 (1)インテグリティ・コンプライアンス:「コンプライアンス」という言葉は、単に「法令順守」ということではない。お客さまに対して公明正大のフェアに事業をしてほしい。その為には、「相手を理解して初めて自分が理解される」という感覚を身に付けていって欲しい。

 (2)チャレンジ志向・イノベーティブ: 当社は日本で初めてのオフィス街を創りあげるなど、様々な新しいことにチャンレジしてきた。日本人の美徳の1 つに「遠慮」という言葉があるが、皆さんも適度な遠慮をもちつつ、言うべきところは言ってほしい。日々の仕事のなかでも失敗を恐れず、常に新しい発想でチャレンジし続けてもらいたい。

 (3)グローバル: 今日、世界中で様々な変化が起きているが、皆さんには、あらゆる日常の仕事の中で常にグローバルを意識して仕事に臨んでもらいたい。2020年には東京オリンピックが開催され、日本が世界から注目される。食事・歴史・文化・観光など日本の良さを世界にアピールして、日本および東京の国際競争力を強化していきたい。

 (4)アズワンチーム: 仕事をする上で、チームで協力して成果を出していくことが大切になるが、私の大切にしている言葉に「和して同ぜず」というものがある。暗に同調することは楽だが、それではチームの力にはならない。同じチーム内でも的確に指摘し合い、チームを良い方向に導いてもらいたい。

◆住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏

 住友不動産グループを代表して、皆さんの入社を心より歓迎します。

 現在、当社グループは、中期経営計画の過去最高業績を更新、増収増益路線の堅持を目指した「第七次中期経営計画」を推し進めています。一方で、足元では米国をはじめ世界経済も不透明感が続き、経済評論家の予想がことごとく外れるという、「こうなるはずだ」が一切通用しない時代に突入したと言えるでしょう。

 皆さんには、常識にとらわれず、柔軟で自由な発想を率直に提言してくれることを期待しています。どのような仕事でも「前からそうだから」とか「先輩がそうしてきたから」などという固定観念は捨てて、目の前で起きていることをもう一度白紙になって見直し、疑うことから始めて下さい。そして難局にも立ち向かえる力を付け、更なる当社グループの飛躍に大いに貢献してもらいたいと思っておりますので、当社のモットーである「快活な気風」で、これから一緒に頑張っていきましょう。

◆野村不動産ホールディングス(株)取締役社長 沓掛英二氏

 私から、本日は皆さんに「一言」だけ伝えたいと思います。
 それは一人一人が「夢を持った挑戦者」になって頂きたいと言うことです。

 当社グループは、野村不動産が1957年(昭和32年)に創業して以来、今年は60年の節目の年に当たります。創業以来、不動産事業や、不動産の関連サービス事業に挑戦し、将来を見据えたグループの目指すべき方向を示し成長してきました。そして更なるステージを目指して発展している最中の企業グループであります。

 特に人材を重視した経営精神のもと、グループ及び各社の人事制度を整え、新入社員研修をはじめ様々な研修・育成制度を充実させ、皆さんの、「夢と挑戦」を可能にする体制を整備してきています。

 私たち野村不動産グループは、更なる成長を目指して中長期の経営計画を立てグループ一丸となって邁進しています。

 そしてお客様や社会に対しての「私たちの約束」として次のような企業理念を掲げています。

 「あしたを、つなぐ。私たちは、人、街が大切にしているものを活かしあしたにつながる街づくりとともに豊かな時を人びとと共に育み社会に向けて、新たな価値を創造し続けます。」

 最初に「夢を持った挑戦者であれ」と申し上げましたが当社グループは、若いうちから様々なことに挑戦する機会が与えられます。そしてその挑戦が、今日まで社会に新たな価値を創造し貢献をしてきた源泉となってきました。挑戦する機会が与えられるという事は、大きな裁量と同時に責任も伴います。

 当社グループは、「失敗したからマイナス」という減点主義ではなく、「いかに主体的に行動したか、それを通してどう成長したか」という加点主義の精神で進んできた会社です。成功体験だけでなく、失敗経験から学ぶことも沢山あります。

 私は、「将来の進むべき道に迷ったら、必ず難しい道を選ぶ」という判断を心がけてきました。

 難しい挑戦をしたからこそ、多くを学び、成長もより大きくなると確信しています。

 「夢を持った挑戦者であり続ける姿勢」と同時に、周囲への感謝と、謙虚な気持ちを大切にして野村不動産グループの社員の一歩を踏み出してください。

◆東急グループ(東京急行電鉄(株)、東急不動産(株)など51社)代表(東京急行電鉄(株)取締役社長)野本弘文氏

※東急グループでは首都圏の会社を中心に合同で入社式を開催している。

【東急グループの一員として目的意識を持って「夢を実現」しよう】

 東急グループは、交通事業をはじめ不動産事業、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業など、お客様の生活に密着した幅広い分野で事業を展開しています。東急グループは様々な事業を行っており、皆さんのビジネスパーソンとしての夢をかなえる土壌は十分にあります。しかし、「夢」や「願望」は誰でも持つことは出来ますが、強い「志」を持って、自ら考え行動していかなければ決して「夢の実現」はありません。皆さんのチャレンジを大いに歓迎すると同時に、皆さんの「夢の実現」が、東急グループそして世の中の発展に貢献することを強く望みます。

 今、渋谷では、東急グループの長年の夢である渋谷駅周辺の再開発事業が最盛期を迎え、その姿を現しつつあります。2020年の東京オリンピック開催までには、多くの開発が完成して、「日本一訪れたい街 渋谷」の夢の実現に 大きく近づいていきます。渋谷開発以外の事業においても、多摩田園都市、二子玉川など、ここに至るまで、多くの先輩たちが長年にわたって数々の困難を乗り越え、会社の夢、そして自分の夢の実現のため、情熱と忍耐をもって努力したからこそ今日があることを覚えておいてください。

 大きな夢の実現は、個人一人の力では困難でも、同じ夢を語りあい、そしてともに行動する仲間がいれば、可能になります。世の中や会社が必要とすることであれば、諦めなければ、何時かは必ず実現します。

 そのためにも、皆さんは、グループ各社でいろいろな仕事に就くと思いますが、言われたままやるのではなく、「何のためにその仕事をやるのか」、「何故そうしなければならないのか」、「もっと良い方法はないのか」、仕事の目的を是非考えてください。すべて自分を試し、鍛えてくれる機会になると思います。

 仕事の目的が分かれば、それを達成する手段は幾通りも考えられます。どうすれば効率が上がるか、どうすればより面白くなるか、考えながら仕事を進めてください。

 10年後、グループの拠点である渋谷の再開発が完成します。その頃、皆さんが、会社にそして世の中に役立つ仕事をしている事を期待しています。

◆東京建物(株)代表取締役 社長執行役員 野村 均氏

 皆さん、本日は入社おめでとうございます。新しい仲間を迎えることができ、大変嬉しく思います。(一部省略)

 当社は明治29年10月に設立され、昨年創立120周年を迎えました。これは長い歴史の中で、創立者・安田善次郎翁が旨とした“お客様第一主義”と“進取の精神”を大切にし、社員一人一人が時代の要請を細大漏らさず把握し、しっかりと応えてきた積み重ねの結果だと考えています。

 当社の企業理念は「信頼を未来へ」です。当社の生きる道は、この「信頼を未来へ」という言葉に集約されています。なぜなら、当社は規模や量ではなく、質で勝負をする会社だからです。「信頼を未来へ」という企業理念は、社員一人一人が毎日の行動において、お客様から信頼を得られるよう努め行動し続けて、初めてその意味するところが相手に伝わり、理解されるものです。また、この企業理念は社外に対してのものだけではありません。社内やグループ内においても社員間の信頼が高まり、お互いに仲間として信頼し合い、「この人と仕事をしていると楽しい」「このメンバーとやり遂げたい」と思えることにより、素晴らしいシナジーが生まれてきます。

 現在は2019年を区切りとした5ヵ年の中期経営計画を推進しており、その中では『次も選ばれる東京建物グループへ』というテーマを掲げております。これには、あらゆるライフステージの中で常に質の高いサービスを提供し、「お客様から次も選んで頂ける」「社会から必要とされる」企業グループにしていきたいという思いが込められています。

 社内・社外で築き上げた「信頼」が「未来」へ亘っても続いていくことで、社員一人一人が「次も選ばれる」ことにつながり、結果的に当社の利益になる。これが当社のあるべき姿だと考えています。皆さんもそういう観点で物事を考えるようになってほしいと思います。

 最後に、身体は全ての資本であり、健康なくして何事も為し得ることはできません。健康管理には自分で責任を持ち、くれぐれも留意するように気をつけてください。

 皆さんの成長が当社発展の原動力となることを期待しています。

 以上、私からの祝辞といたします。

◆(株)大京代表執行役社長 山口 陽氏

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。

 本日は、皆さんが社会人として第一歩を踏み出される記念すべき日です。この日を迎えるにあたり、ご家族をはじめ、お世話になった方々への感謝の気持ちを忘れずに、新たな決意を持ってスタートしていただきたいと思います。

 本日は、新年度を迎えて私の抱負をお話しすると共に、皆さんに激励の言葉を贈りたいと思います。

<大京グループについて>

 当社は、これまで日本で最も多くのマンションを供給し、長きにわたりマンション開発を主軸とした経営を行ってきました。しかし、マンション開発は、売上・利益の規模が大きい反面、多額の資金と一定の事業期間が必要な上、景気変動の影響を受けやすいというリスクを抱えています。そこで「ストックとフローの両輪経営」を掲げて、特に管理・流通事業の規模拡大と収益力強化に努め、収益構造の転換、財務基盤の強化、ビジネス基盤の構築という3つの課題に取り組んできました。

 その結果、現在では47都道府県でマンション開発と管理を行っている唯一の企業グループとなり、マンションでは日本一の53万戸、ビル施設では6,000件超のお客さまから管理を受託させていただくとともに、全国に435事業拠点を展開し、開発、施工、販売、管理、仲介の機能によって、お客さまのライフサイクルをサポートする独自のビジネスシステムを構築しています。

<大京グループを取り巻く環境と目指す姿>

 我々を取り巻く事業環境は、建物の老朽化や空き家の増加によって、コミュニティの希薄化や居住環境の悪化、更には住宅密集市街地の防災力の強化、地方都市の活性化など、社会課題が山積しています。また、人口動態の変化や価値観の多様化、テクノロジーの進化などを背景に、世の中の余るモノ、足りないモノ、増えるモノ、減るモノが大きく変化しています。そこで、昨年「足りないモノ」を「余るモノ」で再生する不動産ソリューションで社会課題を解決し、次世代に継承する豊かな住生活環境と、社会・経済の発展に貢献する企業グループを目指すべく、中期経営計画を策定しました。その背景には、建物を長く大切に使い、環境負荷を軽減させる社会を実現したいという思いがあり、その思いを中期経営計画の「日本のまちに、活力を」というキーメッセージに込めました。建物の快適性を失うことなく、世代を超えて建物を長く大切に使っていただき、暮らしの中から次々と生まれてくるお客さまの様々なニーズに対して、グループ一体のワンストップでシームレスなサービスを提供し続けること。それが大京グループの使命であり、存在意義です。

<大京グループの将来を担う皆さんへの期待>

 昨年の入社式で「不動産テック」と呼ばれるデジタル革命が起こり、個人の生活や旧態依然とした取引慣行が変わりつつあることを話しました。しかし、今や様々なモノがインターネットに接続されているだけでなく、人とロボット、或いはAIと共生し、人間の行動など多種多様なデータを活用することで、様々なニーズにきめ細やかに対応できる社会を迎えようとしています。科学技術の進化がどのような社会をもたらすのか。その中で我々はどのような価値を提供できるか。この課題に真剣に向き合わなければなりません。

●企業は現実と格闘する場所であり、仕事はチーム戦。互いに切磋琢磨し成長してほしい

 世の中には、このような大きな流れとは別に、小さいけれども新しいトレンドが次々と芽生えています。イノベーションには柔軟な発想が不可欠です。世の中の変化をチャンスと捉え、今までのやり方を変えるような意識を持ってこそ、新しい需要と結びつけるアイディアが生まれ、組織も活性化していきます。知識があっても活かさなければ何も生まれません。活かすとは、他社にはない優れた知識や情報がグループ内で共有され、グループとしての大きな優位性を生み出すことです。時代の潮流に対して、グループが一体となり新たな取り組みに挑戦しなければなりません。

 皆さんは、これまで学校で様々な理論を学んできたと思います。また、試験という個人戦によって評価されてきたと思います。しかし、企業は現実と格闘する場所であり、仕事はチーム戦であることを肝に銘じてもらいたいと思います。そのためには、組織の枠組みを超えた活発なコミュニケーションが必要です。組織の枠組みを超えた強い仲間意識を持ち、互いに切磋琢磨し、成長していただきたいと思います。

●見えないモノを見る努力、声なき声を聞く努力によって、お客さまの潜在的なニーズを見逃さない感性を磨いてほしい

 変化の早い時代だからこそ、見えないモノを見る努力、声なき声を聞く努力をし、お客さまの潜在的なニーズを見逃さない感性を磨いていかなければなりません。既に見えているモノや聞こえていることに対して無関心・未対応では、お客さまが逃げていくだけです。言われたことをやるだけなのは誰にでもできます。言われる前に対応することが肝要です。人が見ていないところでも努力する人は、必ずやその努力以上の評価が得られるでしょう。より早く、お客さまの期待以上の対応力を身に付けてください。

●人生は学びの連続。身近な目標を立て、その実現に向けて日々努力をしてほしい

 人生は学びの連続です。これまでのように先生が教えてくれるという受け身のスタンスでは通用しません。一つひとつの経験が意識の違いによって大きな差となり、その経験から何を学んだのかが、その後の財産になるのです。ですので、学ぶこと、知ることに対して貪欲になってください。3年後、5年後にどうなりたいのか。キャリアプランを立て、それを見失うことなく、その実現に向けて日々努力をしてください。

 皆さんはそれぞれに夢と希望を抱き、ここに出席されていると思います。今日がスタートです。一人ひとりが進化し、新たな時代へ踏み出してください。そして、グループ一体となってお客さまの満足度をさらに高め、様々な場面や事業でお客さまに選び続けていただける「新しい大京グループ」を一緒に創っていきましょう。

 最後に、心身ともに健康を保ち、知識だけでなく、謙虚さや感謝の気持ちといった人間力にも磨きをかけ、心技体のバランスのとれた社会人になっていただけますよう祈念し、お祝いの言葉とします。

◆(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 辻 範明氏氏

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。

 建設・不動産業界は、昨年一昨年と好調な業績を上げてきました。しかしながら、今年から来年にかけては、世界経済も、国内経済も、不動産・マンション市況も不透明な状況のなかで推移していくものと思われます。中長期的にも人口減少や世帯数のピークアウトなどにより厳しい事業環境が待ち受けていることは確かです。

 そのようななか、当社グループも事業構造を変化させていかなければなりません。今期から新しい中期経営計画であるNBj計画がスタートします。基本方針は前計画を踏襲しながら、グループの価値を維持・向上させる成長戦略投資などを行い、さらに少子高齢化や人口減少、都市のコンパクト化への対応、災害対策、建築物の老朽化対策、環境配慮と省エネルギー化促進といった社会の抱える課題に対し、ハード・ソフトの両面から「住まいと暮らしの創造企業グループ」への飛躍を目指していきます。皆さんはまさにその年に入社したという事をしっかり意識してください。

 今年の年頭のキーワードとして「温故知新」という言葉を掲げました。創業80周年という節目の年を迎え、歴史に学びながら新しいやり方を作っていく年にしたいという思いからです。長谷工の社員は、目標を与えられると粘り強く、最後まで諦めずに何とかしようという気持ちを持っています。長谷工のDNAとも呼んでいますが、自分の会社は自分で良くする、何とかするんだという気持ちを社員全員が共有していたからこそ、修羅場・土壇場・正念場という3つの場を乗り越え、会社を成長させてきたのだと思います。長谷工グループのことをしっかりと勉強し、先輩社員たちが築いてきたこと、長谷工の社員であれば誰でも知っていること、つまり「温故」をきちんと理解して自分のものにしてください。そして、自分の入った会社に「自信と誇り」を持っていただきたいと思います。

 「グループの全社員が営業マン」というプロジェクトを、グループ全体で進めています。一人一人が自分の所属する会社だけでなく、グループ全体のために行動するグループ連携の考え方が、長谷工グループの良いところであり、強みだと思っています。これからはいつもグループを意識して行動して頂きたいと思います。

 一日も早くこのグループの一翼を担う人材として活躍されることを期待しています。

◆森ビル(株)代表取締役社長 辻 慎吾氏

 皆さんは極めて重要な時期に森ビルに入社した。我々は今、東京・日本の磁力となる国際新都心を形成すべく、複数の大規模再開発プロジェクトを同時並行で進めている。これだけのプロジェクトを一気呵成に進めるのは、60年近い森ビルの歴史の中でも初めてのことだ。今こそ、磁力ある都市づくりによって、世界から人やモノ、金、情報を惹きつけ、東京・日本の地位を高めていきたい。

 いよいよ4月20日には「GINZA SIX」が開業する。2街区を合わせた再開発によって、銀座のど真ん中に圧倒的なスケールとクオリティを備えた複合施設が誕生する。

 また、「虎ノ門ヒルズエリア」の一体開発では、未来のビジネスやテクノロジーを生み出すための仕掛けや施設を組み込み、エリア全体を「国際新都心・グローバルビジネスセンター」へと進化・拡大させていく。「虎ノ門・麻布台プロジェクト」や「六本木5丁目プロジェクト」でも、森ビルにしかできない、世界に類のない都市づくりに挑戦していく。

 これほど変化の激しい世の中において、現在のポジションに留まり続けることは不可能だ。選択肢は2つしかない。進化して成長するか、衰退するかだ。我々はさらなる進化を目指して、未知の世界を手探りで進んでいく。それが都市づくりのトップランナーを目指す者の宿命であり、森ビルの社会的使命でもある。

 都市が好きで、新しいことに挑戦する意欲のある人にとって、森ビルの仕事は圧倒的に面白い。共に挑戦し、共に進化し、共に未来を築いていこう。

◆日本土地建物(株)代表取締役社長 平松哲郎氏

 11名の若き精鋭が、元気な顔で今日から我々の仲間に加わってくれることを嬉しく、心強く思います。

 これから各々の配属先に就くわけですが、「人と社会に安心と感動を。ともに考え、ともに創る。」というグループ企業理念、そしてそれを実現するための「誠実」「挑戦」「情熱」「尊重」「責任」という5つの価値観を常に意識し、日々の業務に精一杯前向きに取り組んでください。そして、自らの成長を目指して自己研鑽に励むことで、不動産のプロとしての「充実感」、そして「仕事の面白さ」を実感してほしいと思っています。

 社会人となった今日の感激と新鮮な気持ちをしっかりと胸に刻むとともに、ご両親やお世話になった皆さんへの感謝の気持ちを忘れないようにしてください。

 本日は誠におめでとうございました。

◆森トラスト(株)代表取締役社長 伊達 美和子氏

 本日は入社おめでとうございます。昨年、私はグループの中核企業である森トラストの社長に就任し、グループの中長期ビジョン『Advance2027』を策定しました。皆さんは私が社長に就任し、また、『Advance2027』策定後初の新入社員となります。皆さんには、社会人として、企業人として、今後グループで活躍していただくために、二つのことを申し上げたいと思います。

 まず第一に、「相互理解の精神を持ち、仕事に取り組んで欲しい」ということです。当社グループの事業は用地取得から開発、営業、管理、運営、内務部門など、各部門が支えあって成立しています。所属する会社、部署が連携し、スムーズに事業を進める必要があり、相互理解が必要となります。この相互理解というのは、単に相手に迎合すればよいという事ではありません。自ら考えた意見を相互にぶつけ合い、よりよい答えを導き出していくことを意味しています。そうして、常に環境に合わせて進化する人材・組織が、この先の社会で残り続けるのです。

 その為には、一つひとつの事象に対して常に疑問を持ち、よりよい方法を導き出す習慣をつけていただきたいと思います。その繰り返しが自身の将来の財産となり、今後の成長に繋がっていきます。

 そして第二は、「社会の変化を意識し、常に5年先を描きながら仕事に取り組んで欲しい」ということです。昨今の世界経済は、英国のEU離脱やトランプ米大統領誕生など、グローバルからナショナリズムの台頭へと変化しつつあります。国内においても、労働力不足の顕著化、働き方改革、生産性向上が課題となっています。さらに、ビッグデータ、AIの世界的な潮流を、いかに取り込んでいくかが問われる時代になっています。東京五輪までの数年間、社会はいたるところでパラダイムシフトが起こり、戦略の再構築が求められる変革期となると考えられます。今後、企業はこの変化に備える5年間となるでしょう。

 新入社員の皆さんは、まずは仕事を覚えるところから始まりますが、常に社会の変化を意識するとともに、5年後の自身の未来像を描き、社会や会社にどのように貢献していくのか、一歩先の目線で視野を広げ、仕事に取り組んで欲しいと思います。

 以上の二点を意識し、輝かしい社会人生活の第一歩を力強く踏み出してください。これから皆さんとともに仕事ができることを楽しみにしています。

◆三菱地所レジデンス(株)取締役社長 脇 英美氏

1.理念

 三菱グループの企業活動の指針となっている「三菱三鋼領((1)所期奉公、(2)処事光明、(3)立業貿易)」を先ず覚えて欲しい。

 また、三菱地所レジデンスの5つの行動規範((1)失敗を恐れない。(2)自らつくり出す。(3)開かれていること。(4)視野を広く持つこと。(5)誠実であること。)を大切にして欲しい。

 今後日々の業務の中で壁にぶつかったときは、上記の三綱領と行動規範を思い出して欲しい。

2.中期経営計画

 今年度から始まる中期経営計画では、ものづくりで大切な「顧客志向」・「お客様の生涯価値の追求」という原点に今一度立ち返って欲しい。お客様の声をしっかり聞いて、いいものをつくることによって「ザ・パークハウス」がNO.1であることを証明するべく、頑張ってもらいたい。

 また、働き方改革も強く推進していきたいと考えている。みなさんにも充実したライフスタイルを自ら実践してもらい、多様化した価値観のなかから、イノベーションによって新たなアイディアを生み出して、いいものを創り出して欲しい。

3.新入社員のみなさんに送る言葉

 日々の業務の中で色々な勉強を続けて欲しい。自らタネをまき続けることが大切だ。みなさんの成長が会社の成長につながると信じている。

 今年度入社した同期とのつながりを大切に。また同期だけでなく、お客様など、人とのつながりを大切にし、人の輪を拡げていって欲しい。

 みなさんはもう学生ではない。一人の社会人として、一人の三菱地所レジデンスの社員として、責任感をもって行動して欲しい。初心を忘れずに、みなさんでいい会社にしていって欲しい。

◆三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 山代裕彦氏

 皆さん、ご入社おめでとうございます。

 本日ここに、三井不動産リアルティ、地域リアルティ各社を合計して、総合職247名、一般職98名、合計345名という多くの皆さんを新入社員としてお迎えできることを大変うれしく思います。役職員を代表して心より歓迎し、お祝いを申し上げます。

 皆さんのお顔を拝⾒しておりますと若⼲緊張気味なのかなと拝察しておりますが、この緊張感というものは、社会⼈⽣活において非常に大切なものなのです。会社⽣活が始まると、今日から四⼗年近く同じ組織に入ることになります。ともすれば惰性に⾛り緊張感を失うこともあります。今日ここに感じておられる緊張感を心に刻んで、三井不動産リアルティでの会社⽣活を送っていただけたらと思います。

 不動産仲介の事業フィールドである良質な住宅ストックは、国の政策もあり今後さらに成⻑が期待されています。駐⾞場事業においては、⾞の保有台数が大きく伸びることは難しいかもしれませんが、駐⾞場の整備の必要性はまだまだ拡大していくと考えています。また、カーシェアリング事業や駐⾞場シェアリング事業はまだ始まったばかりであり、今後、いっそうの成⻑が期待できます。当社を取り巻く事業環境はまだまだ拡大が期待でき、私たちの頑張り次第で当社はこれからも大きく成⻑することができると考えています。

 今日では情報の多くがインターネットを通じて入ってきます。デジタルを活用することで情報収集の強化、お客さまとのコミュニケーション強化、社員間の情報共有、業務の効率化、業務精度の向上が可能となり、当社においてもデジタル関連への投資を積極的に⾏っています。若いみなさんはICTに対するリテラシーが高く、とても期待しています。しかし、忘れてはいけないことは、お客さまのことを思い、寄り添うことができるのは⼈だということです。あくまでも⼈が主役であり、ICTの活用は主役である⼈がお客さまの満⾜度を向上させるための補助なのです。その意味でも当社は、デジタル関連への投資とともに、⼈への投資も惜しみません。フィービジネスの会社である当社にとって何より大事なのは「⼈材」です。ぜひ皆さん一⼈ひとりが成⻑戦略の要となっていただきたいと思います。

 希望に燃える皆さんに⾔葉を贈りたいと思います。それは「ヒッシ」という⾔葉であります。「ヒッシ」という⾔葉で皆さんはどういう漢字を思い浮かべるでしょうか。一番多いのが必ず死ぬと書く「必死」ではないでしょうか。この意味は皆さんご存じだと思いますが、「死ぬ覚悟で全⼒を尽くすこと」であります。「ヒッシ」にはもう一つの漢字表記があります。それは必ず至ると書く「必至」であります。辞書によれば「必ずその事がやってくること。そうなるのは避けられないこと」とあります。「必死」「必至」双方とも将棋用語だそうです。そこで私が勝手に考えたことなのですが、何事をするにも「死ぬ気になって取り組めば」「必ず実現する」、というように解釈するのはどうでしょうか。皆さんは若い。これからの⻑い会社⽣活の中でいろいろな問題に直面するかと思います。その時に「必死」になってやれば必ず「必至」を実現する。この気概を持って会社⽣活を送って下さい。

 皆さんの当社での⽣活が充実したものになることを祈念しまして、私のお祝いの挨拶とさせていただきます。

◆住友不動産販売(株)代表取締役社長 田中俊和氏

 皆さん、入社おめでとうございます。

 不動産仲介業は、お客様の大切な資産を扱う極めて社会的に意義の高い職業です。当社は今年42周年を迎えた歴史とともに、業界のトップブランドとして、大きな社会的責任を担っています。

 IT化が進んだ今の時代、情報は誰でも簡単に手に入ります。私たちには「どの情報が正しいのか、ベストな選択は何か」といったお客様のニーズに応えることができる「コンサルティング能力」が求められています。

 仲介業は人が資本です。当社においても、社員一人一人の仕事の積み重ねが会社の価値向上に直結しています。皆さんの成長なくして当社の発展はありません。今日、入社された皆さんの活躍を期待しています。

 皆さんにはまず、「お客様から最初に相談される人」になることを心がけてほしいと思います。お客様が不動産で困ったときや聞きたいことがあるときに、最初に思い浮かべて声をかけていただき、その期待に応えられる人になってほしい。そのためにはコミュニケーション力が大切ですので、大いに培ってください。

 お客様が不動産を売買、賃貸する背景にはそれぞれの事情があります。お客様の家族になったつもりで一人一人に心を寄せて、大切な不動産をお預かりすることで、一人でも多くの皆さんのファン、当社のファンを作っていってください。

 お客様の笑顔のために、これから一緒に汗を流しましょう。

◆東急リバブル(株)代表取締役社長 榊 真二氏

 皆さん、入社おめでとうございます。今皆さんは、不安と期待の入り交じった心境だと思います。良い意味での緊張感はぜひ持ち続けてほしいのですが、あまり緊張しすぎず、まずは東急リバブルという会社の雰囲気に慣れていただきたいと思います。

 まず、私から皆さんにお願いしたいことは、何事も受け身で取り組まないでいただきたいということです。今日から社会人生活が始まりますが、受け身だけの人生というのはとてもつまらないものです。ぜひ、自ら考え主体的に行動しながら、自分が新たな価値を創っていくのだという強い気持ちを持って仕事に臨んでいただきたいと思います。

 今の日本の産業界は競争の厳しい世界です。不動産業界も例外ではありません。さらに今後、人口減少や少子高齢化といった構造変化が加速度的に進んでいきます。こうした変化の時代に重要なことは、その変化のスピード以上に会社を進化させていくことです。新入社員の皆さんは、若さと柔軟性という大きな武器・ポテンシャルを持っています。ただ、仕事というものは一人ではできません。組織の中で互いに助け、助けられ、協力し合いながら価値を生み出していくのが仕事です。受け身では周りの協力は得られません。ぜひ、自ら積極的に動いて先輩や同僚とのコミュニケーションを深め、周りのサポートを引き出しながら成長していただきたいと思います。また、仕事をするということは、結果を出すということです。良いアウトプットのためには質の高いインプットが必要です。仕事はもちろん、それ以外のことにも貪欲に興味を持って自分の中に取り入れていってほしいと思います。

 当社の仕事は、人々の生活に大きな比重を占める不動産に関わる仕事です。ぜひ、その大切な資産に関与するのだという強い責任感、お客様に喜ばれ社会に貢献する仕事を行っているという自負とプライドを持って仕事に臨んでください。また、当社は今年度から2020年度までの新たな中期経営計画をスタートさせます。その中で、「お客様評価」「事業競争力」「働きがい」の新しい3つの業界No.1を目指していきます。3つのNo.1の地位をしっかりとつかみ取り、それをさらに進化させていきたいと思います。そして、社員が誇れる会社、東急リバブルは良い会社だね、良い社員がいるねと言われる会社を一緒につくっていきたいと思います。

 業界全体も、優良な中古ストックが増え、政策的な後押しもあり、マーケットは今後拡大していきます。また、ここ数年、当社の業績は向上し、業界内のシェアも高まってきています。この勢いのあるタイミングで皆さんは入社されました。東急リバブルは不動産流通業界の中でも多様なメニューを持った会社ですが、今後、不動産仲介を起点として、付加価値をもたらす様々な事業分野にチャレンジし、会社を伸ばしていきたいと考えています。

 10年後、20年後と、皆さんの仕事のフィールドはこれからどんどん大きくなっていくでしょう。東急リバブルの姿も今とは相当違っていると思います。皆さん自身の成長と会社の成長を重ね合わせて、仕事を楽しみながら成長をしていってください。今後の活躍を、心から楽しみにしています。

◆東京建物不動産販売(株)代表取締役社長執行役員 加茂正巳氏

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。

 当社は、東京建物グループ全体の顧客最前線企業として、「仲介」「アセットソリューション」「賃貸」を主な事業として展開する総合不動産流通企業であり、今年は創立37年目を迎えます。CRE(企業不動産)戦略支援の窓口としてグループ全体のシナジーを最大限に発揮する為、情報のハブとして機能し、グループ各社の事業機会を創出するという重要な役割を担っています。

 皆さんに期待していることを2つお話しします。

 まず第一に、社会人になるということは、人生のターニングポイントを迎えるということです。これまでは同世代の仲間と話をしたり勉強したりする生活だったと思いますが、社会に出てからは、自分とは世代の違う人たち、価値観の違う人たち、自分とは違うニーズをもったお客様を相手に仕事を行います。今までは自分は何ができるか、何がしたいかと自分が出発点でしたが、これからは会社から自分はなにを求められているのか、お客様は自分に何を求めているのかということが出発点になります。皆さんが、自分の可能性を信じて行動することで、潜在能力が顕在化したり、新しい能力が開発されたりする大きな転換期だと思います。

 二つ目は、当社は不動産の総合流通企業ですが、人間にとって必要不可欠な「衣食住」のうちの「住」に係る分野であり永続的な仕事です。が、一方で少子高齢化が進み社会の変化やお客様の高いレベルのニーズに応えるために、我々のサービスレベルを上げる知恵を出して品質改善を行わなければ競争に勝ち残ることができません。皆さんには、何事にも好奇心を持って取組み、お客様のニーズがどこにあるのかアンテナを高く張り巡らせて探り、そしてスピード感を持って対応することにチャレンジしていただきたいです。

◆大和ハウス工業(株)代表取締役社長 大野直竹氏

 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

 今日から皆さんが一員となる大和ハウス工業は、“多くの人の役に立ち、喜んでいただける商品やサービスの提供”を常に考え、世の中に必要とされる企業であることをすべての起点として、今日の複合事業体へと成長してきました。現在、業績は好調に推移していますが、大企業に入社したと勘違いしないでください。実際、各事業を見るとシェアで他社を圧倒するものはないのです。つまり、当社が真のトップ企業となるには、まだまだチャレンジャーとして上を目指さなければなりません。

 当社が扱っている商品は非常に高額で、皆さんはお客さまの「夢」を託されることになります。その夢を実現させるためには、皆さんが若いうちにいかに「人間力」を磨き、お客さまに選ばれる人財となり得るかにかかっています。会社の商品知識やルールはもちろんのこと、文化・歴史・芸術などに触れて見聞を拡げ、若くても熱心で信頼される人財となってください。そして、目先の成果に一喜一憂することなく、失敗を恐れずに努力し続けてください。1年では大きな差はつきませんが、5年、10年経過すると徐々に実を結び、歴然とした差が表れます。

 当社は創業商品「パイプハウス」やプレハブ住宅の原点「ミゼットハウス」などで新市場を開拓してきました。現在でも、パイオニア精神をもって幅広い事業領域で「プラス2、プラス3の事業」の創出に邁進しています。そのため、大和ハウスグループの今後を背負う皆さんには1つの事業だけに傾注することなく、事業の垣根を超えて、会社全体を見渡せる能力を養っていただきたいのです。

 昨今では「働き方」へ注目が高まっていますが、当社でも多様な人財が多角的な視点を持って企業経営に参画できるよう、働きやすい職場環境づくりに努めています。そのような中、皆さんは「働く」ことと正面から向き合い、より多くの成長の機会を自ら手にしてください。

  最後に、皆さんはこれから各部門に配属されますが、まずは手が届くか届かないかの少し高いところに目標を設定してください。そして、その先にある「夢」に向かって積極精神を持って挑み、「人間力」を磨くとともに自己研鑽に励んでください。皆さんの今後に期待しています。

◆積水ハウス(株)代表取締役社長 阿部俊則氏

 積水ハウスグループへの入社おめでとうございます。皆さんの入社を私も皆さんと共に心から喜んでおります。

 【「FOR YOU」の心で、相手の喜びを我が喜びに。謙虚な姿勢と感謝の心を忘れない】

 企業理念の根本哲学の「人間愛」は、「FOR ME」ではなく「FOR YOU」の心で、「相手の幸せを願い、その喜びを我が喜びとする奉仕の心をもって何事も誠実に実践する」事です。

 ぜひ謙虚な姿勢と感謝の気持ちを忘れないでください。

【「働き方改革」~わくわくドキドキする職場環境づくり】

 これからの大きなテーマは「働き方改革」です。「遅くまで働く会社に未来は無い」と言い続けてきました。今、「人材の定着と育成」をテーマに「わくわくドキドキできる職場環境づくり」を推進しています。IT などを活用しながら、仕事の量と質の「見える化」を行い、やるべきこと、そうでないことをよく見極め「効率よく」仕事をする癖をつけてください。そして一日を達成感で終え、メリハリをつけ、家族、友人等と過ごす時間や自己研鑽の時間等のアナザーワールドのための時間も充実させてください。

 また、ダイバーシティにも積極的に取り組んでいます。女性管理職も増える等成果が表れており、先月、住宅・建設業界で唯一4度目の「なでしこ銘柄」に選定されました。「ワーク・ライフ・バランス」から「ライフ・ワーク・バランス」へ、今、会社は大きく変わろうとしています。

【新中計が始動。当社グループの強みは「技術力」「施工力」「顧客基盤」】

 当社は「SLOW&SMART」をブランドビジョンに掲げ、“住”に特化した成長戦略を推進しています。積水ハウスグループは売上2兆円を超え、過去最高記録を更新し、第3次中期経営計画を終えることができました。各グループ会社がそれぞれの専門性と役割をもって、他社にはないグループの強みを発揮し業績を伸ばしています。リーマンショック以降、業績が伸びたのは正にグループ連携を強化したのが大きな要因です。グループで心を一つにして、皆同じ目線に立ち力を合わせて頑張ってください。

 今年3月に“住”に特化した成長戦略を更に深化させ、第4 次中期経営計画を発表しました。

 当社グループの強みは「技術力」「施工力」「顧客基盤」です。制震技術やオリジナル外壁、環境技術でも他社の追随を許しません。当社には優秀な技術を持った社員と、施工力を支える優秀な協力工事店組織「積水ハウス会」があります。233万戸という業界最多の建築実績と顧客基盤を持つ積水ハウスグループだからこそできるビジネスは国内にまだまだ沢山あります。

【お客様の期待に応える責任ある仕事。目標を決め自己研鑽して一人前に】

 積水ハウスはお客様を大切にする会社です。次に社員と協力工事店を大切にしています。そして社会に必要とされる会社である事、この3つを大切にしています。社会それが社会に浸透し、ブランドができ、提案する内容も高度化、高額化しています。お客様や社会の期待も大きい分、仕事に慣れるまでは大変つらい事もあります。そんな時は、当社の企業理念に立ち返ることです。また何でも相談できる仲間、先輩を見つけてください。報告・連絡・相談は最も大切な事です。チャレンジも失敗もどんどんしてください。

 どうか健康に留意し、先輩の指導を素直に聞いて、必死に勉強し、目標を決めて自己研鑽しながら早く一人前になってください。皆さんの活躍を大いに期待しています。

◆積水化学工業(株)代表取締役社長 髙下貞二氏

 新入社員の皆さん、積水化学グループへの入社おめでとうございます。心からお祝いと歓迎の意を表します。

 私から新入社員の皆さんに期待することを3つお伝えします。

フロンティアへの挑戦

 社会人として、企業人として未知の世界、フロンティアへ突入します。色々なことに勇気を持って挑戦し、経験してほしい。挑戦なくして人は成長しません。

当事者意識

 当事者意識とは、自分が主役であるとの思いを持って、他人任せにすることなく自ら深く考え、行動することであり、また、社会人として企業人として、そして積水化学グループの一員としての自覚と責任です。これが仕事の根本です。

試練・忍耐・経験が希望を呼ぶ

 これから仕事を通じて、色々な経験をします。時には試練が待っていますが、歯を食いしばって耐え、負けてたまるかの精神で乗り越えてほしい。その経験こそが、自分の財産となり希望を呼びます。

 積水化学グループでは今年、創立70周年という記念すべき節目の年を迎えました。そして新次元の成長に向けたファーストステージがまさに今日からスタートします。その記念すべき年に皆さんは入社されたわけです。新しい未来への挑戦のとびらをひらき、新次元の成長に向けて力強い確かな一歩を踏み出しましょう。

 皆さんのこれからの健闘を祈ります。

◆トヨタホーム(株)取締役社長 山科 忠氏

 本日、トヨタホームの一員になられた皆さんを、心から歓迎します。皆さんの大いなる活躍を期待するとともに、職場の皆さんは、新しく入社された方々が伸び伸びと活躍できるよう、温かく親身になって見守ってください。

 入社に際し、新入社員の皆さんには、四つのお願いがあります。

 一つ目は「自分に厳しく」ということです。皆さんはトヨタホームに高い志を持って入社しました。その志の実現に向けて、配属される職場では、高い目標を設定してください。そして、目標達成に妥協することなく、自分を厳しく追い込んでやり切っていただきたい。

 二つ目に、職場に「新しい風」を吹き込んでください。フレッシュな皆さんを迎え、職場は活性化します。新人だからこそ気づく改善に取り組み、新しい風を吹き込んでください。その時に大事なのは「現地現物」の視点です。目の前で起こっていることを自分事として捉え、更に良くしようという考えが重要です。

 三つ目は感謝の心と謙虚な姿勢です。こんにちの皆さんがあるのは、ご家族や周囲の方々の支えの賜物です。これからの皆さんの働きは、職場の上司・先輩・仲間はもとより、お客様や販売店や仕入先、そして地域の方々など、多くの支えがあって、成り立ちます。感謝の気持ちを忘れず、謙虚で礼儀正しい行動を心掛けて欲しいと思います。

 四つ目はコンプライアンスです。今日からトヨタグループの一員となりました。不祥事がグループ各社に大きな影響を与えることを肝に銘じて下さい。

 職場の皆さんへもお願いがあります。新入社員の皆さんは、トヨタホームの未来を担う大切な仲間です。温かく、そして時には厳しく愛情を持って指導してください。

 最後に、健康と安全にはくれぐれも気をつけて下さい。いい仕事も充実した私生活も、すべては健康と安全あってのことです。会社生活では時に辛いと思うこともあります。そういうときは一人で抱え込まず、遠慮なく先輩や上司、同僚に相談してください。

 トヨタホームが皆さんにとって、夢を叶える、かけがえのない人生の舞台になることを祈念します。

◆ミサワホーム(株)代表取締役社長執行役員 竹中宣雄氏

 新入社員の皆さま、ご入社おめでとうございます。

 当社はこの10月に創立50周年を迎えます。私たちの先人達が社会の変化に対応し会社を発展させてきたからこそ、ミサワホームはこの記念すべき年を迎えられるわけです。今後さらにスピードを上げて変化していく世の中に対応し、50年後のミサワホームがどんな会社であるべきか、皆さんには共に考えていただきたいと思います。また、企業はお客様や社員、地域の方々などさまざまなステークホルダーとのつながりによって成り立っていますから、彼らの役に立つような会社であり続ける「持続可能性」が求められていることも忘れてはいけません。

 住宅は、お客様にとって一生に一度の、最も高額な商品です。ご契約時には形もありません。私たちの仕事は、皆さんを信用し、ミサワホームを選んでくださったお客様の大切な住宅を一緒に作り、満足していただくことです。では、そもそも仕事とは何か。私は自己実現のための方法だと考えています。そして、仕事を通して自己実現をさせてくれる場所が会社であるわけです。つらく厳しいこともたくさんありますが、それに負けない意欲と情熱を持って、自己成長につなげてほしいと思います。

 大いに悩み、素晴らしいものを創り上げていくことは、これから日本を背負って立つ皆さんの役割の一つです。ぜひ、想いを大きく馳せて、自分の人生を切り拓いていただきたいと思います。

 皆さんのご活躍を期待しております。

◆三井ホーム(株)代表取締役社長 市川俊英氏

 三井ホームへの入社、誠におめでとうございます。三井ホームグループを代表してお祝いの言葉を申し上げます。

 当社は1974年10月の設立以来、全国で累計23万棟を超える家づくりにたずさわってきました。この実績は、これまでに諸先輩が築き、当社の人、技術、ブランドなど、そのそれぞれをお客様にご評価いただけた結果に他なりません。

 現在は、少子高齢化やライフスタイルの多様化など社会情勢は大きく変化しています。企業としての歴史の重みを大切にしながらも、時代の変化に柔軟に対応し、これからの時代をリードしていかなければなりません。

 そのためには当社のデザイン力、技術力、コンサルティング力により磨きをかけて、世の中にご満足いただける住まいを提供し続けることにより、三井ホームで暮らしたい、三井ホームに住んでいることが誇りである、と思っていただけるブランドを築いていかなければならないと思っています。暮らすほど愛着が湧き、その愛着が世代を超えて受け継がれる家、そんな「暮らし継がれる家」を提供し続けることが当社の願いです。

 皆さんは大きな希望をもって今日、入社式に臨んでいると思いますが、三井ホームには自分を成長させる、自分の可能性と出会う機会がたくさんあります。自分の強みを見つけ、それぞれのおかれた分野で、一人ひとりがその分野のプロフェショナルになってほしいと思います。

 昨年は、熊本地震が起こり、たくさんの方が被災されました。我々住宅メーカーの大切な役割の一つは、人の命や財産を守る安全で安心な住まいを提供することです。当社の「プレミアム・モノコック構法」による建物は、設立以来43年、地震の揺れによる全半壊がゼロであり、数々の震災に耐えてきたという事実は、我々の大いなる誇りです。昨年度は、つくば市の土木研究所にて大規模な実大耐震実験を行い、当社の建物は、震度7の揺れに60回耐えても尚余力を残し、その強さを証明しました。我々の可能性は無限に広がっていきます。

 今後より一層の努力により、三井ホームブランドを「未来へそして世界へ」輝かせていきましょう。

◆パナホーム(株)代表取締役社長 松下龍二氏

 入社おめでとうございます。本日入社した188名の皆さんを迎え、立派な社会人として育てる義務を感じ、身が引き締まる思いです。

 パナホームは、1963年にナショナル住宅建材株式会社としてスタートし、“住まいは人間形成の場である”とする松下幸之助創業者の想いを受け継ぎながら、住宅事業を進めてきました。パナホームという会社の特長を一言で表現するならば、5年、10年たってもお客さまに喜びと感動をお届けし、“住み心地オンリーワンの会社“と言えるのではないでしょうか。「くらし文化を支えていく」、そうした思いで先輩方が今日まで引き継いでくれた会社を、新入社員の皆さんにも今後作っていくつもりで取り組んで欲しいです。

 社会人として大切なことは2つあります。一つ目は「志(夢)を持つ」ことです。どんなに小さな夢や目標でも個々の夢を明確にして、努力を続けることを大切にしてください。そしていかなる時も周囲の方に支えられていることを忘れず、感謝の気持ちを持ち続けることで確実に未来を切り開いてほしいと思います。

 2つ目は「不条理を楽しむ」ということです。大卒社員の離職率(厚生労働省調べ)を見ると、環境が変わり、働き方も変わる中で年々増加しています。主な理由は、希望の職種につけない、給与や職場の人間関係など、自分中心の考えと他責思考から生まれます。これまで保護されていた環境から一変し、自分の常識が常識ではなくなることに戸惑いを感じることもあるかと思います。どんな環境下であろうとも、お客さまのために一心に仕事をし、感謝されることが良いスパイラルを生み、結果的に自分の幸せにつながります。

 最後に、皆さんは是非、「あかるく・いつでも・さきに・つづけて=あ・い・さ・つ」を心がけながら自発的に挨拶を実践し続けてください。

 パナホームが目指す姿は「特長のある会社」、「信頼される会社」、「社員が誇れる会社」です。100%できるまであきらめず、一丸となってパナホームでよかった、と全員が誇れる会社を作っていきましょう。

◆ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏

 今後、消費税増税の影響や、住宅を購入する世代が減っていくという背景もあり、厳しい業界と言われております。その中で当社が順調に勝っていくためには、企業の姿勢や、従業員個々の力量などを武器にして流れを読み取って戦っていく必要があります。

 今年度のグループの経営方針は、“時代の流れを読み取り、「着眼大局、着手小局」の精神で業務推進を図り、社会から信頼される「誇りある会社づくり」を実践する”としています。

 新入社員の皆さんには、これから起こりうる中長期的な環境変化を常に念頭に置きつつ、目の前の業務を丁寧に遂行していくよう心掛けていただきたい。そして、「本業をしっかり守りつつ、新たな挑戦を続ける」ことで強固な企業基盤を構築すると共に、社会から信頼され、社員が誇りを持てる会社づくりを目指していきますので、皆さんにも是非協力していただき、共にポラスグループの更なる発展を目指しましょう。

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