不動産ニュース / ハウジング

2009/8/10

産学共同研究によるコンセプトハウス完成/旭化成ホームズ

「街かどヘーベルハウス つくば吾妻」として公開しているコンセプトハウス(茨城県つくば市)
「街かどヘーベルハウス つくば吾妻」として公開しているコンセプトハウス(茨城県つくば市)
1階間取りおよび外構のイメージ
1階間取りおよび外構のイメージ

 旭化成ホームズ(株)は7日、産学共同研究会「ひとと住環境研究会」の調査報告書を発表、あわせて研究結果に基づき建設したコンセプトハウスの見学会を開催した。

 「ひとと住環境研究会」とは、同社が“ひとの健康と心地よさを両立させる住環境のあり方(真の快適)”を研究することを目的に2006年に設立したもので、宿谷昌則氏(東京都市大学環境情報学部・大学院環境情報学研究科教授)を座長として、さまざまな研究を行なってきた。

 同報告書では、「真の快適」とは、温度や湿度などを一定に制御することで得られる「快適な環境」ではなく、季節や時間帯などによって変化する自然のリズムを適度に受け入れ、「生体のリズム(心と身体のリズム)」を正常に保つことで得られる心地よさにあるとしたうえで、季節や時間帯に合わせ心地よい場所を求めて居場所を変える「移ろ居(うつろい)」行動を重要な要素として挙げている。

 今回建設されたコンセプトハウスは、こうした研究活動で得られた知見を反映させたもので、敷地面積206.76平方メートル、1階床面積73.99平方メートル、2階床面積67.29平方メートルの戸建住宅。

 各階間仕切りのない一室空間とし、通風機能付建具や南北の庭と窓を設置することで水平方向の風の通り道をつくるとともに、吹き抜けやトップウィンド(通風用天窓)などを生かした温度差換気による垂直方向の風の通り道を確保。家に入ってくる風の調節を可能とした。
 また、道路などからの放射熱を遮るバッファゾーンとして緑のカーテンなどによる半戸外空間を創出。断熱障子を開閉すれば日射や通風を調節できるよう工夫した。
 冷暖房については、部屋を閉じるタイプの冷暖房は身体のリズムを崩しやすいため、一般的な空調設備は設置せず、熱の放射を利用する放射パネルを設置した。

 また、「たべる・つどう」や「くつろぐ・やすらぐ」といったさまざまな行為にあわせ、自然のリズムに寄り添うことができる居場所、「移ろ居どこ」を提案。心地よい姿勢をとることができるよう可動の道具を用意、4~5人が座って話のできる平面スペースを複数箇所用意するとともに、小上がりやベンチなどの段差を利用し、タイルや畳、フローリングといった素材を組み合わせた空間を用意している。

 説明会において同社住生活総合研究所長の熊野 勲氏は「こうした取組みの成果を、今後のへーベルハウスに反映させていきたい」と語った。 

 なお、同コンセプトハウスは、モデルハウスとして一般公開後、建売住宅として販売する「街かどヘーベルハウス つくば吾妻」として8日より一般公開している。

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