不動産ニュース / 決算・業績・機構改革

2011/5/20

菰田正信専務が社長昇格/三井不動産

社長交代会見後に握手を交わす岩沙弘道社長(右)と、菰田正信次期社長(左)
社長交代会見後に握手を交わす岩沙弘道社長(右)と、菰田正信次期社長(左)

 三井不動産(株)は20日、菰田正信(こもだ・まさのぶ)専務取締役(専務執行役員)の代表取締役社長(社長執行役員)昇格を発表した。6月29日開催予定の定時株主総会後の取締役会で、正式決定する。現社長の岩沙弘道氏は、代表権のある会長(会長執行役員)に就任する。

 菰田氏は、1954年東京都生まれ。78年東京大学卒業後、同社入社。経営企画部長、執行役員住宅事業本部副本部長、常務取締役常務執行役員兼アセット運用部長などを経て、2011年4月より現職。

 社長交代発表を受け、同日夕方会見した岩沙氏は「社長を務めた13年間、さまざまな課題に私なりにイノベーティブに、そしてスピーディに取り組みんできたつもりだ。わが三井不動産グループは、グループの新たな成長に向け、グループ各社の役員を一新、若返りを図った。今年度から新たな中長期経営計画をスタートさせる予定だったが、東日本大震災からの復旧復興のための危機対応経営をあと1年続ける。
 こうした状況下ではあるが、2011年3月期決算がほぼ期初予想通りとなり、原発問題を除き、諸問題解決が想定より順調に進みつつあり、社長としての役割はまっとうできた。震災で注目された安心・安全・サスティナビリティという新たな経営課題を捉え、次期経営計画に反映し、グループの新時代を切り開いてくれる若い人材への社長承継を、ゴールデンウィーク中熟考し、若さと行動力、チャレンジ精神、社内外の人望厚い菰田専務に社長を託すことにした。
 菰田専務は、経営企画部長時代、私の右腕として共に苦労を重ねてきた。三井不動産レジデンシャルを設立、軌道に乗せるなど、さまざまな経営課題を担ってきた。必ず新しい時代を切り開いてくれるはずだ。私も三井不動産DNAの伝承者として、今後も経営責任を負っていく」などと、社長承継の経緯を語った。

 一方、岩沙氏からバトンを受け継ぐ菰田専務は「ゴールデンウィーク明け、岩沙社長から『僕のあとを引き受けてくれないか』と打診を受けた。『本当に私でいいのですか』とためらったが、1週間考えた末、御引き受けすることにした。経営企画部長時代から岩沙社長の傍にいたため、その方向性の認識と課題の共有はできているつもりだ。岩沙路線を継承し、(会長となる)岩沙氏との役割分担しながら経営にあたりたい」と抱負を述べた。
 今後の経営課題については「まずは、震災の難局を乗り越えること。そのうえで、少子高齢化など社会の成熟化への対応、東アジアへの進出をはじめとするグローバル化、安心・安全・サスティナビリティを実現するビジネスモデル開発、グループを担う人材育成などに力を入れた新たな成長の姿を示し、スピーディに実現したい」とした。

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