不動産ニュース / 調査・統計データ

2014/8/25

地場不動産仲介会社の景況感、全国的に悪化/不動産流通研究所調査

 (株)不動産流通研究所は25日、2014年4~6月期の「地場の不動産仲介業における景況感調査」の結果を公表した。アットホーム(株)に研究を委託し行なった調査。調査期間は6月18日~7月16日。

 アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、同一都道府県内で5年を超えて不動産仲介業に携わっている2万3,832店の経営者や役員、管理職を対象にインターネットで調査。有効回答数は719店。回答者の8割以上が従業員5人以下の中小不動産会社。調査結果から、北海道、宮城県、首都圏、静岡県、愛知県、近畿圏、広島県、福岡県の各エリアごとに業況判断指数(DI)を算出。DIは「50」が前年並みとなる。

 4~6月期の賃貸仲介DIは、北海道45.8(1~3月期比1.1ポイント低下)、宮城県35.0(同7.0ポイント低下)、首都圏42.3(同5.7ポイント低下)、静岡県34.2(同6.8ポイント低下)、愛知県41.7(同5.8ポイント低下)、近畿圏41.0(同6.6ポイント低下)、広島県33.9(同16.1ポイント低下)、福岡県43.0(同13.5ポイント低下)。全地域でDIが50を割り込み、景況感が悪化している様子がうかがえた。

 1~3月期時点では成約数が多く業況が良かった福岡県からも、「転入が圧倒的に減った」(北九州市の不動産会社)などの声が挙がり、業況が悪化している。「新築賃貸住宅の供給増による空室率の増加」、「初期費用や賃料を安く抑えたい消費者と高額物件を求める消費者の二極化が発生している」などのコメントも目立った。

 7~9月期の見通しについては、北海道37.5、宮城県30.0、首都圏41.6、静岡県43.4、愛知県41.7、近畿圏41.2、広島県41.1、福岡県40.0と、業況の好転が見込めないとする回答が多く、DIは回復基調にはなっていない。特に宮城県では、県が借り上げた応急仮設住宅供与期間が終了することから、退出に伴う供給過多への懸念もあり、全国で最も低い数値となった。

 一方、売買仲介DI(4~6月期)は、北海道48.9(同4.5ポイント上昇)、宮城県33.3(同23.3ポイント低下)、首都圏44.6(同3.2ポイント低下)、静岡県46.5(同3.5ポイント低下)、愛知県37.5(同4.9ポイント低下)、近畿圏44.9(同7.1ポイント上昇)、広島県60.3(同19.9ポイント上昇)、福岡県36.6(同17.1ポイント低下)。

 大きく上昇した広島県からは「中高所得者の問い合わせが増えてきている」といった前向きなコメントが聞かれた。全体的には、土地の価格上昇に期待した売り控えの動きが見られ、供給不足というコメントが多かった。

 7~9月期の見通しは、北海道45.5、宮城県36.1、首都圏45.7、静岡県42.4、愛知県37.2、近畿圏44.9、広島県39.7、福岡県38.4と、賃貸仲介同様、慎重に市場を見ている向きが多かった。

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