不動産ニュース / 調査・統計データ

2015/3/5

「被害甚大地域」の事業継続企業、約6割が震災前の売上水準回復/TDB調査

 (株)帝国データバンクは3日、「東北3県・沿岸部『被害甚大地域』5000社の追跡調査」結果を発表した。2011年7月、12年3月、13年3月に続き今回で4回目。

 東日本大震災発生時点、岩手、宮城、福島3県沿岸部の「津波被害が特に大きかった地域」、「原発事故による警戒区域・計画的避難区域(当時)」(以下、「被害甚大地域」)に本社を置いていた5,004社を対象に、震災から約4年経過時点での活動状況について調査した。

 今回の調査結果で、「事業継続」を確認できた企業は3,622社(前回調査:3,645社)で構成比は72.4%(同72.8%)と、前回調査比では0.4ポイント下落したものの、大きな変化はみられなかった。一方、「休廃業」しているのは1,382社(同1,327社)で、構成比27.6%(同26.5%)と増加し、4社に1社が実質的な活動停止となったままであることが分かった。業種別の比率でみると、「事業継続」が確認できたのは「運輸・通信業」が85.2%と最も高く、次いで「卸売業」(80.2%)という結果に。両業種は多額の設備投資が不要なことや、被災地以外に得意先を有するなど他業種に比べ事業継続への障壁が相対的に小さかったためとみている。「不動産業」(85社)の事業継続率は74.1%。

 また、震災発生前の09年度と比べ、13年度の売上高が「増収」となった企業は1,808社、構成比は51.6%で、「横ばい」(193社、構成比5.5%)との回答と合わせると約6割が震災前の売上水準にまで回復。業種別では、震災後の復興特需の恩恵が大きかった「建設業」(868社、構成比71.6%)が突出しており、その他の業種の増収企業比率は30~40%台であった。「不動産業」(61社)の増収構成比は34.4%

 今回の調査結果を受け、同社は「未曾有の災害を乗り越え事業活動を立て直し、震災前の売上水準を回復した企業も目立つようになってはきたが、今のところ復興需要の恩恵が大きい建設業が中心。他業界にこうした動きがさらに広がっていくかは予断を許さない。今後も官民挙げての継続的な支援が不可欠」とまとめている。

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