三井不動産リアルティ（株）は、「1棟リノベーション区分販売事業」の一環として手掛けてきたリノベーションマンション「ジ・アッパー・レジデンシーズ南青山」（東京都港区、総戸数41戸）の2期販売を開始。新モデルルーム2戸をオープンした。
同事業は、いわゆる「買取リノベーション再販」ではなく、都心部でのマンション事業を検討するディベロッパーや投資家を対象に、中古マンションの1棟リノベーション事業を物件取得から商品企画、リフォーム、販売までパッケージで提案するもの。同社は、コンサルフィーと販売手数料から収益を得る。
バブル期に大量に供給された、都心5区に立地する高級賃貸マンションを中心に、大規模修繕に加え、外観・外構、共用部をブラッシュアップ。賃貸入居者が退去した住戸から、陳腐化した設備機器の入れ替えや、間取りの変更を実施。付加価値を付けて販売していく。販売開始時点から、新たに30年間の長期修繕計画を策定。建物構造への瑕疵保険と設備保証も導入する。2009年度の事業開始からこれまでに18物件を事業化している。
「ジ・アッパー・レジデンシーズ南青山」は、地下鉄銀座線「表参道」駅徒歩6分に立地する、築22年の外国人向け賃貸マンションを全面改修したもの。高級分譲マンションにふさわしい外観とするため、複数のデザイナーを入れてファサードやエントランスを再構成。専有部は、水回り・建具類を高級部材で更新し、間取りも富裕層に好まれるPP分離タイプへ変更している。14年10～12月と15年1・2月にかけ、1期13戸を発売し、完売している。住戸は、1LDK～3LDK、専有面積74～166平方メートル。価格は1億200万～3億5,000万円（最多価格帯1億9,000万円台）。
2期は、テーマを「働く女性のためのラグジュアリーなデザイナーズ邸宅」とし、専有面積77平方メートル・1LDKの単身女性向けモデルと、同86平方メートル・1LDKのDINKS向けモデルを用意した。
単身女性向けモデルは、ゲストを招くパブリックゾーンと寝室や化粧室などのプライベートゾーンを分離。ダイニングとリビングとの間にキッチンを置き、キッチンスペース自体をコリドーに仕立てている。
DINKS向けモデルは、通常の洗面所に加え「ラグジュアリーメイクアップルーム」を用意。クリスタルガラス製の水栓や革張りの大型鏡などで働く女性の気持ちを高める演出をしている。
販売価格は、単身向けモデルが1億5,500万円、DINKS向けモデルが1億8,000万円。販売予定戸数は4戸で、今後、賃貸中の住戸が退去次第、順次改修していく。
