不動産ニュース / 開発・分譲

2015/8/28

都内最大規模のマンション建替プロジェクト「桜上水ガーデンズ」が完成/野村不動産・三井不レジ

完成した「桜上水ガーデンズ」。既存樹木は樹齢40年以上のものがほとんどで、深い緑で建物を包み込んでいる
完成した「桜上水ガーデンズ」。既存樹木は樹齢40年以上のものがほとんどで、深い緑で建物を包み込んでいる
建て替え前17棟・404戸だった建物を、高層化により9棟・878戸としたが、地権者の声を聞き入れ、法定建ぺい率60%・容積率200%を、建ぺい率41%・容積率162%に抑制。空地を広く確保した
建て替え前17棟・404戸だった建物を、高層化により9棟・878戸としたが、地権者の声を聞き入れ、法定建ぺい率60%・容積率200%を、建ぺい率41%・容積率162%に抑制。空地を広く確保した

 野村不動産(株)が三井不動産レジデンシャル(株)と共同で推進してきたマンション建替事業「桜上水ガーデンズ」(東京都世田谷区、総戸数878戸)が竣工。28日、報道陣に公開された。

 同物件は、京王線「桜上水」駅徒歩3分、総面積約4.7haの大規模団地「桜上水団地」の(1965年築)建て替えプロジェクト。建物の老朽化、耐震性不足などを理由に1990年代から建て替えを求める声が上がり、両者は2002年に建替組合に参画。住民と協議を重ね、09年に建替決議が成立。13年に着工していた。

 建て替え前17棟・404戸だった建物を、高層化により9棟・878戸としたが、地権者の声を聞き入れ、法定建ぺい率60%・容積率200%を、建ぺい率41%・容積率162%に抑制。駐車場も地下化して、空地を広く確保した。既存高木180本の移植と、約360本の高木の新植を実施し、屋上も緑化することで、緑被率40%、空地率50%を実現している。

 建物は、全棟免震構造を採用。3~5戸に1基のエレベーターを設置し、利便性とプライバシー性を高めた。従前住戸の特性を引き継ぎ、隣棟間隔を広くとることで両面バルコニーを採用する住戸を多数確保している。

 住戸は、2LDK~4LDK、専有面積は58~111平方メートル。永住型を意識し、80平方メートル前後のプランを中心とした。約2.6mの天井高、約2.2mのハイサッシなどゆとりをもたせた。地権者住戸を除いた520戸が13年12月から販売され、一部キャンセル住戸を除き完売している。最多価格帯は7,800万円台、坪単価約330万円だった。

 同日会見した野村不動産マンション建替推進部長の岩田 晋氏は、「建て替えマンションは、経済合理性だけでは実現できない魅力がウリ。このマンションも、駅まで3分という立地だけでなく、地権者の声を反映させたゆったりとした空間、緑あふれる敷地、免震構造による安心と安全など、レベルの高い住戸に仕上がり、地権者にも一般購入者にも高く評価された。これも地権者の皆さんの協力があってこそと感謝している。
 建替事業は非常に時間がかかるが、これからますます重要視される事業。管理組合からの問い合わせも、年間100件を超える。あと10年もすれば、旧耐震マンションのほとんどが築50年を超える。今後もこの社会的課題にしっかりと取り組んでいきたい」などと語った。

 なお、同社のマンション建替推進部はこれまで4物件の建替事業を竣工済みで、現在、東京都杉並区阿佐ヶ谷でプロジェクトを推進しているほか、東京都港区神谷町など4プロジェクトで建替組合を設立済み、その他首都圏7物件に事業参画している。

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