不動産ニュース / 政策・制度

2016/4/12

民泊サービス検討会、ちんたい協会が空き家を活用した新制度を提案

 8回目となる「民泊サービス」のあり方に関する検討会が12日に航空会館(東京都港区)で開催された。

 会合では事務局から、早急に取り組むべき課題への対応状況として、簡易宿所営業における客室面積基準の緩和、玄関帳場に関する通知の見直しについて1日に施行したこと、ホームページ「旅館業法Q&A」の「民泊サービスと旅館業法Q&A」への改訂を実施し都道府県へ周知したこと、27日には都道府県等担当者に説明会を予定していることなどが報告された。

 なお、Airbnbをはじめとする海外の仲介サイト運営事業者に対し、厚生労働省・観光庁の連名で、サイトにおける周知や注意喚起、ホスト・ゲストに関する情報提供への協力などについて依頼する文書を送付、一部プラットフォーマーとは対面での交渉についても調整を開始したことも明らかにした。

 続いて(一社)民泊協会と、とまれる(株)のヒアリングを実施。民泊協会は、旅館業法での許可取得に当たっては、帳場不要の通知が地方自治体の条例で否定される可能性があること、消防法における設備設置が大きな負担となることなどから、許可取得の障壁が依然多いと指摘。さらに、民泊が旅館業法に抵触しており、否定的なマスコミ報道が多いことなどから外部不経済の問題が発生していることについても触れた。より良い制度構築に向けて、リネン交換やカギの受け渡しなどのサービスを旅館等の宿泊施設が提供することで共存共栄を図る方策や、サービス提供者に向けてのガイドライン作成などについて提案を行なった。

 とまれるは、特区民泊の申請サポートを実施した中で、参入を検討した部屋が1,000室以上あったものの、用途規制や構造設備などの要件などにより最終的に申請に至ったのが30室弱となったと説明。簡易宿所の緩和適用では依然ハードルが高いこと、適法民泊のハードルが高いゆえに“闇民泊”が減らない現状に触れ、責任の所在を明確にするためにも、ホストと民泊代行業者の責任の一元化や、取り締まり強化、違反者の厳罰化などについて提言した。

 また、構成員である全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が、今後のルール作りに当たっての要望を提示。戸建ての家主居住タイプのものについては、住宅の短期の一時貸しという視点に立てば年間営業日数の制限や1日当たりの宿泊人数といった制限が必要ではないか、マンションの1棟貸しや大半を民泊に使用する場合は既存の旅館・ホテル業と変わりがないことから、旅館業法の許可を取得すべき、と提案。民泊サービスの提供に当たっては、衛生講習の受講の義務付け、苦情窓口の明確化が必要であるとしさらに、仲介事業者に適法民泊であることの確認や表示を課すべきであるとした。

 同じく構成員である(公社)全国賃貸住宅経営者協会連合会(ちんたい協会)は、既存ストックである空き家を活用した民泊サービスの新制度の案を示した。「住宅の短期利用」という考えから、旅館業法・宅建業法の適用を除外し、家主から管理を委託されている賃貸管理業者や旅館業者が登録制の「民泊サービス」事業者となることで、安全管理やトラブル防止、適正な税徴収が実現できるとした。

 次回会合は、22日に開催する予定。

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