不動産ニュース / 団体・グループ

2016/7/8

仲介報酬制度の見直し要望の検討に着手/全宅連・伊藤会長が会見

仲介業務の報酬制度見直し議論に着手すると語った伊藤会長
仲介業務の報酬制度見直し議論に着手すると語った伊藤会長

 6月28日に行なわれた総会で(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長に再選した伊藤 博氏は8日会見を開き、今後の事業や政策要望について記者団に語った。

 会見で伊藤氏は、先日国会で成立した宅建業法の改正など、宅地建物取引士の業務負担と責任が重くなっている現状を踏まえ、仲介業務の報酬制度の見直しを今後求めていく意向を明らかにした。
 「1970年の報酬規程の確立以降、見直されたことがなく、また全宅連としても要望したことはなかった。先般の業法改正でインスペクションに関する情報提供などが重要事項説明に加わったことで、低額物件の仲介手数料では、事業者が赤字になってしまうケースも想定できる。賃貸においても、借り手市場の中で、借り主から満額の手数料をいただけない場合が多く、その穴埋めのために、業界では貸し主の了解が必要な“広告料”を得るケースも多い。こうした市場の状況について、全宅連として整備の必要性を感じている」と、その意図を説明した。

 具体的には、調査などのコストが手数料収入を上回るような低額物件の売買仲介手数料の引き上げや、賃貸仲介においては貸し主からのみ賃料の2~3ヵ月分の手数料を徴収できる報酬体系などを今後検討し、今年度中にも内容をまとめて要望する意向。「上限に関しては、現状維持で良いが、地方圏などで販売価格1,000万円を切るような物件は多い。こうした低額物件の取引に対しては何らかの収入確保策が必要だと考えている。消費者の声を聞きながら、議論を進めていく必要がある」と述べた。

 また、税制要望については、「少なくとも、現在の経営環境を維持でき、消費者の購入意欲を損なわないような税制を求めていきたい。特に現在の不動産取引には、登録免許税や印紙税など、過重な税負担があり、特例措置をその都度延長してきたが、もっとシンプルな税制となるよう、抜本的な見直しが図られるべきだ」と話した。

 全宅連の長期ビジョンとして2013年にまとめた「ハトマークグループ・ビジョン」の実現に向けては、昨年度、6つの傘下宅建協会でモデルビジョンを策定、今年度についても別の6協会がモデルビジョンを策定する方針。「ハトマークグループ・ビジョンは、いわば宅建事業者の生き残りに向けた方向性を示したものだ。各地域の人が、どうやれば今後地域で生き残っていけるかを考えてビジョンをつくってもらっている。この12協会でのモデルビジョンを見て、今年度中には20年に向けた全宅連としてのビジョンをとりまとめたい」とした。

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