不動産ニュース / 仲介・管理

2017/6/28

改正民法受け、オフィス賃貸時の敷金3ヵ月に

 (株)日本商業不動産保証は27日、一般的に賃料の10~12ヵ月分が必要と言われるオフィスビル賃貸時の敷金・保証金を3ヵ月程度に抑え、残りを同社が保証する新商品「敷金3ヵ月くん」を発売した。

 現在、中小企業がオフィスを賃貸する場合、敷金負担において企業の経営者が個人の連帯保証人となるケースが多く、その負担は大きい。同社は、2011年より敷金・保証金の半額を保証する「保証金半額くん」を販売、これまでに200社を超える企業やビルオーナーが利用している。

 さらに、6月2日に公布された改正民法が施行されると、中小オフィスビルを賃貸する場合に個人の連帯保証人を用意しづらくなり、保証会社による機関保証が伸びると判断。同社独自ロジックによる中小・ベンチャー企業の財務診断能力も向上したこともあり、新商品を発売した。オフィスの初期コスト低減を図る。

 今後、「敷金フリー化プロジェクト」と銘打ち、中小企業・ベンチャー企業のオフィスの初期コスト低減に向けて同商品を拡販していく。まずは東京を中心にPR動画を使ってテナント企業やビルオーナーに訴求。東京以外の都市へも積極的に進出していく計画。

 27日に行なった会見で、代表取締役社長の豊岡順也氏は「(本来預託するはずだった)敷金をもっと自由に使えるようになれば、中小企業やベンチャー企業など、中小ビルの有力なテナント企業が本業に投資できる。全国で約30兆円もの敷金・保証金が預託されていると言われるが、そのうちの何割かでも市場に放出することができれば、経済にいい影響を与えられるのではないか」と語った。

 同サービスの利用社として会見に出席した(株)髙木ビル専務取締役の髙木秀邦氏は、「オーナーの考え方次第ではあるが、究極は敷金ゼロもありえなくはない。民法改正にいち早く対応することで、ビルの付加価値を高めることにつながり、新たなテナント群の獲得チャンスにつながる。旧態依然とした“待ち”のビル経営が通用しなくなり、“選ばれるビル経営”が求められていくだろう」と話した。

豊岡氏
「浮いた分を本業に投資してほしい」と話す豊岡氏
髙木氏
「オーナーの考え方次第で敷金が1ヵ月にもゼロにもなりえる」と話す髙木氏

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敷金

建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借主から貸主に対して、次のような目的のために預けられる金銭。 1.賃料の不払い・未払いに対する担保 2.契約により借主が負担すべき修繕費用や原状回復費用の前払い 将来契約が終了した場合には、上記1や2の金額を控除した残額が、借主に対して退去後に返還される。

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