2014/04/24 18:00更新
重鉄3階建て住宅に制震装置を標準採用/旭化成ホームズ
制震装置「サイレス」。上部のオイルダンパーが地震の揺れを吸収して揺れ幅を抑制する
制震装置「サイレス」。上部のオイルダンパーが地震の揺れを吸収して揺れ幅を抑制する
制震装置「サイレス」。上部のオイルダンパーが地震の揺れを吸収して揺れ幅を抑制する

制震装置「サイレス」。上部のオイルダンパーが地震の揺れを吸収して揺れ幅を抑制する


 旭化成ホームズ(株)は5月1日から、重量鉄骨システムラーメン構造の3階建て住宅「へーベルハウス FREX」に、新たに開発した、オイルダンパーを組み込んだ制震装置「サイレス」を標準装備する。


 「サイレス」は、高層ビルなどの地震対策装置として導入することが多いオイルダンパーを戸建て用に改良したもので、大地震から小さな揺れまでまんべんなく効果を発揮するのが特徴。床面積60坪のモデルプランの場合、震度5弱程度の中規模な地震であれば、揺れを約40%カットできるという。オイルの再注入などがなくても約60年性能を維持する高い耐久性もアピールする。


 建物1階の壁にサイレスを組み込み、地震が発生した際にはオイルダンパーが揺れを吸収して建物全体の揺れを抑える。これまでの同社住宅は、2階建てでは制震装置を標準採用していたが、3階建ての場合は制震装置が高コストになるため対応できなかった。「重量鉄骨ラーメン構造の耐震性はもともと高いが、戸建て用の制震装置を新たに開発することで、より安全性を高めたいと考えた。これで2階・3階住宅ともに制震構造にできる」(技術本部商品開発部長・加藤 明氏)。


 組み込む場所も、独自の「制震評価プログラム」によって算出。同プログラムでは、邸別に躯体と外壁・サイレスを組み合わせた際の地震時の揺れ幅を計算し、適切な組み込み場所を割り出してプラン提案に生かす。おおむね床面積30坪に1基のサイレスを組み込む必要があるという。


 オイルダンパーは高温・低温でも性能に変化がなく、長期にわたって揺れの減衰力も低下しないのが特徴という。ただ、オイルダンパーを組み込んだ制震装置は大規模建築の場合に1基数百万円と言われる高コストがネックとなっていた。今回戸建て用に改良、1基15万円程度で提供できるようにしたことで、「住宅で現実的なコストにできた。4階建て以上の建物にも使える。重量鉄骨3階建てのリーディングカンパニーとして、さらなる性能アップを図り、差別化していく」(加藤氏)という。




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