2014/12/17 18:00更新
240万人が「社会的孤立の状態」と推計/ニッセイ基礎研究所

 (株)ニッセイ基礎研究所は17日、「長寿時代の孤立予防に関する総合研究」の結果をとりまとめ、発表した。


 年間約3万人が孤立死していると推計される中、高齢期に社会的孤立者を発生させないための原因と予防策について考察したもの。全国のゆとり世代(23〜25歳)、団塊ジュニア世代(39〜42歳)、団塊世代(65〜67歳)、75+世代(75〜79歳)、計約6,500名を対象にインターネット調査した結果を分析・考察した。アンケート調査期間は1月16〜23日。


 日頃のコミュニケーションの状況から社会的孤立リスクについて推定したところ、ゆとり世代、団塊ジュニア世代の15%程度、団塊世代、75+世代の5%程度について、社会的孤立が強く疑われる状況にある可能性が示された。

 この出現率を基に各世代の社会的孤立状況が疑われる者の人口を推計すると、全国のゆとり世代で66万人、団塊ジュニアで105万人、団塊世代で33万人、75+世代で36万人が、社会的孤立が疑われる状況にあるとした。


 孤立リスクに関する属性特徴では、男性では未婚もしくは離別で孤立リスクが高くなった。なお女性でも未婚・離別で孤立リスクが高くなるものの、総じて男性よりも孤立リスクは低いという結果に。


 なお、高齢期の社会的孤立を回避するには、若い時からの幅広い人間関係の構築が重要であり、そのためには個人が日頃から家族や人付き合い、働き方について見直していく必要があると分析。さらには企業や自治体でも、高齢期の社会的孤立に対する予防意識を高める取り組みや人と人とのつながりを強化する取り組みが求められるとしている。

 さらには、まちづくりの面では、公共交通の充実、都市機能の集約化などの自動車依存を減らすと共に、コミュニケーションを促進する空間利用や空間整備、住まいづくり推進が重要になると指摘している。




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