2014/12/17 18:00更新
住宅団地再生、「都市計画としての位置付け」等提案/国交省

 国土交通省は17日、「住宅団地の再生のあり方に関する検討会」(座長:浅見泰司氏・東京大学大学院工学系研究科教授)の第5回会合を開いた。


 同会では、老朽化した住宅団地の再生のための多様な事業手法確立に向け、委員や有識者から、団地再生実務の実態のヒアリングを実施。まちづくりの観点を含め幅広く検討を行なっている。


 今回は、これまでの検討会での意見や外部有識者のプレゼンテーション内容を基に、住宅団地再生に係る課題や提案された解決策等を「合意形成に係る課題」「事業資金の確保等に係る課題」「建築規制上の課題」「その他」の4分類にまとめたものを作成。これら課題・提案に対して、委員による補足等がなされた。

 また、全国的な住宅団地のマクロな実態と、東京都を対象とした実態の把握を目的とした「住宅団地の実態調査計画」の概要についての説明・意見交換も行なわれた。


 課題・提案に対する補足では、「都市計画として公的に位置付ける視点」や「都市計画との連動」が必要という解決策に対し、活発に意見交換がなされた。委員からは、「団地空間の再編成だけでなく、周囲を一体として周辺住民を呼び込む形での再生を考えるべき」「合意形成を促進するために周囲の公的資産を生かす」「権利関係を保全する仕組みとして、地区計画を含ませる」「まちなかへの住み替えなどとワンセットで、公共事業的なものを含め考えていかないと立ち行かない」などの声が聞かれ、隣接する公的資源を活かした事例などが紹介された。


 そのほかでは、「(郊外立地であることでコストが上がる)長期的な行政コストを考慮した上で審議すべき」等「郊外の住宅団地再生」に関する発言や、団地という形での供給・再生の限界等についての意見が聞かれた。


 今後は、今回の意見・提案を再整理し、個別の委員にヒアリングするなどした上で、事務局が方向性を検討。次回以降、その方向性、基本的な方針・考え方等をさらに検討していく予定。




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