2016/10/28 18:00更新
経営者の住宅景況感、受注戸数は減少も金額はプラス/住団連調査

 (一社)住宅生産団体連合会は28日、2016年10月度の「経営者の住宅景況感調査」結果を発表した。四半期に1度、過去3ヵ月の実績と今後3ヵ月の見通しを前年同期と比較して結果を指数化しているもので、住団連および傘下団体の法人会員18社のトップにアンケートした。


 16年度第2四半期(16年7〜9月)の受注実績は、総受注戸数はマイナス11(前期:マイナス4)、総受注金額プラス15ポイント(同マイナス4) 。各社からは、「景気の先行き不安に加え、住宅ローン金利引き下げの可能性が少ないと感じている顧客が多く、決断に至らないケースが見られた」、「補助金によるZEH促進効果等の影響で1戸当たりの金額は伸びている」といった意見が寄せられた。今期は8〜9月に相次いだ台風などの天候の影響もあり、特に9月の展示場来場組数は全国平均対前年比15.6%減と、少なからぬ影響があったと考えられる。


 戸建注文住宅の実績では、受注戸数マイナス3(同マイナス9)・金額プラス20(同マイナス7)に。戸数は2期連続での減少となったが、受注金額は総数同様に、ZEH促進効果等による1棟単価上昇傾向が影響し、再度プラスに転じた。


 戸建分譲住宅の実績は受注戸数マイナス25(同マイナス18)・金額マイナス10(同マイナス18)と、2期連続マイナスとなった。
 低層賃貸住宅の実績は、受注戸数プラスマイナス0(同プラス31)・金額プラス17(同プラス25)と、予測(戸数プラス42、金額プラス31)を大きく下回ったが、ここ2年近くの堅調な数字が自らのハードルを上げた感もあり、依然としてプラスを維持する個社が多い。「大型物件の受注が伸びた」とするメーカーが多く、3・4階建ての商品力を有するメーカーが強みを発揮している。
 リフォームの実績は、受注金額マイナス11(同プラス21)と、6期連続したプラスから減少に転じた。増税延期の停滞感が影響したと見られる。


 今後3ヵ月(16年10〜12月)の予測は、総受注戸数プラス29(同プラス25)・総受注金額プラス42(同プラス35)。「高価格帯は引き続き好調に推移。ただし、経済の不透明感により顧客の決断までの時間が長期化する可能性もあり、全体としては緩やかな上昇に留まる」といったコメントが寄せられた。ただし、大型物件や富裕層需要、賃貸住宅の好調を軸に、といったコメントはなく、予測を裏付けるほどの好材料は見えていないのが現状。


 同日の報告会で、同連合会専務理事の小田広昭氏は、「これまで好調だと言われていた賃貸住宅が少々かげりを見せ始め、直前3ヵ月は100万戸を維持していた8月の年率換算値が100万戸を割った。まだ賃貸住宅は伸びるという見通しを持っている企業は多いが、市場が飽和状態となっており、今後厳しい状況が続くとみられる」などと話した。



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