2017/06/23 18:00更新
不動産カウンセラーに宅建士を取り込み

 不動産鑑定士が中心となって発足した、NPO法人日本不動産カウンセラー協会は22日、霞山会館(東京都千代田区)で第12回通常総会を開き、2017年度の事業計画の承認や改選期に伴う理事長の選任などを行なった。


 17年度は、宅地建物取引士の資格保有者が、同会独自資格の「不動産カウンセラー」を名乗れる資格認定会員として登録できるようにしたことから、さらなる資格のPRを進めていく。新たなビジネスモデルの開発や実用化を進め、研修内容の充実化や情報発信の積極を図る。また、総会では、理事の中から理事長選任を行ない、吉村真行氏が再任。3期目となる。


 同日開催した公開講演会では、三井物産フォーサイト(株)パークマネジメント担当兼FM・PM第3本部長・常務執行役員の鈴木宏治氏が、都市公園を基点とするまちづくりである「パークマネジメント」の効用、CREからPREへのシフト、都市公園(公共財産)の運営民営化による経済価値と社会価値の向上などについて解説。「財源の確保」「人材の育成」が課題であるとし、鈴木氏は「欧米では、パークマネジメントを行なったエリアの不動産価値が高まることを前提に、固定資産税にBID資金を上乗せして地権者や事業者から徴収し、その資金をBID団体に提供している。BIDがあるエリアで、不動産価格が15%上がった例もある。日本においても『日本版BIDの制度化』『不動産価値向上効果の見える化』を進めるべき」と話した。


 続いて、同講演内容をもとに、鈴木氏ほか、同会役員が登壇し、パネルディスカッションを行なった。同会では、「不動産カウンセラーは、自治体に近く、地域事情を熟知している人が多いことから、地域コミュニティの中心的存在になりやすいほか、価値判断の仕組みを知っていることなどを理由に、パークマネジメントの業務に適している」との見解を示し、「パークマネジメントの関わり方を模索するため、早急にタスクチームを組成し、研究を進めていきたい」とした。



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