2017/07/20 18:00更新
中計はストックビジネスが牽引/東急不動産G

「東急リバブルや東急コミュニティなどストックビジネスを手掛けるグループ各社は、
外部顧客の比率が高く伸びしろが期待できる」とした大隈社長


 東急不動産ホールディングス(株)と東急不動産(株)の代表取締役社長の大隈郁仁氏は18日、専門誌記者等と会見。2017年度から3ヵ年にわたる中期経営計画の事業戦略について語った。


 大隈氏は事業環境について「ビルもマンションも足元はフォローの風が吹いているが、政治リスクなども懸念され不動産市況はやや冷え込む懸念がある」としたほか、今年4月から持株会社と事業会社の社長を兼任した点については「グループのバランスシートの多くを有する東急不動産で投資の失敗や資産の劣化をもたらすことは大きな経営リスクであり、一体的経営を目指すこととした」と説明した。


 中計は、仲介・管理等のストックビジネスを成長エンジンとして前面に出す。「仲介の東急リバブル(株)、管理の(株)東急コミュニティーとも、競合他社と違いグループ外の顧客を多く抱えている点で伸びしろが期待できる。また、東急コミュニティーは、ビルや商業施設、空港施設まであらゆる建物の管理ノウハウがある。公共施設管理の民間委託の流れも追い風だ。M&Aした学生情報センターグループも大学生や留学生は増加しているし、東急住宅リース(株)もサブリース戸数を増やしていくことで利益率は高まる」などとした。


 一方、主力の都市(ビル)事業については「供給過剰が懸念されているが、当社のお膝元である渋谷エリアについては心配していない。当社のテナントの多くを占める“カタカナ系”の企業は、伸びる会社もあればつまづく会社もある。小さくても成長が期待できる企業をどれだけテナントとして呼び込み、長期アライアンスを結べるかがカギ」とした。


 また、マンション事業については「年間供給1,500戸を極端に増やすことができない。量は求めず、どうやってオリジナリティのある、付加価値のある商品を供給していくかが重要だ」とし、分譲マンションとシニア住宅の複合開発「世田谷中町プロジェクト」に代表される、顧客のライフスタイルに寄り添った世代循環型のまちづくり「ライフストーリータウン」をキーワードにした開発に注力していくとした。



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