2017/10/16 18:00更新
東京・中延の共同住宅をリファイニング/三井不









施工前の建物。建て替えだと
戸数が半減するため
資産性が維持できなかった




改修後の外観予想図



 三井不動産(株)は、青木茂建築工房と共同で東京都大田区の共同住宅兼店舗をリファイニング建築手法で再生する。16日、施工現場を報道陣に公開した。


 同建物は、都営浅草線「中延」駅徒歩10分に立地する、築52年、地上6階地下1階建て、賃貸住宅20戸(専有面積29平方メートル)と店舗で構成される。住戸設備の陳腐化や耐震性への不安から入居率が3割以下となり、3年前に三井不動産のもとに相談が寄せられた。当初は、建て替えも検討されたが、日影規制により住戸数が半減し収益性が保てないことから、大幅改修に方針転換。同社が提携する青木茂建築工房のリファイニング工法により、単なる耐震補強ではなく、改修後30年間にわたり充分に運用できる躯体とインフィルへの改修に着手した。事業の総合企画を三井不動産、賃貸住宅の商品企画サブリースを三井不動産レジデンシャルリース(株)、施工を三井不動産リフォーム(株)と、グループワンストップでソリューションを行なっていく。


 リファイニング工法では、構造計画上不要な部分を撤去し建物を軽量化。耐震性を高めるため、新たな耐震壁や袖壁の新設に加え、経年劣化している構造躯体の劣化対策、省エネルギー対策工事を実施。現代のニーズに合ったインフィルを施工する。維持管理が容易になるよう、縦配管はバルコニー側に寄せ、現行法を満たすようエレベーターシャフトを拡幅。住戸は、新たな耐震壁を設けたうえで各フロア4戸を3戸に変更。専有面積を34〜40平方メートルに拡大、戸数も17戸を確保する。


 これらの工事により、竣工後に検査済証を獲得。長寿命化と耐震性の確保とを合わせ、新たに30年の事業融資を得る。東京都の特定緊急輸送道路沿いの耐震補強実施設計助成金を得るなどして、新築の7割の事業費とし、新築の9割の年間収益、表面利回り10%、NOI6%を達成する見込み。工事期間も、新築の2年半から16ヵ月と大幅に短縮できる予定(竣工:2018年3月)。


  三井不動産と青木茂建築工房との協業は、今回で2事例目。現在、東京都渋谷区でも別案件が進行中。相続問題などを契機に、築古建物の再生相談は増えていると言い、同社はグループのソリューションが生かせる住宅の再生をベースに提案を強化している。同物件を担当した同社ソリューションパートナー本部レッツ資産活用部資産活用グループの宮田敏雄氏は「これまで新耐震の物件の再生を多く手掛けてきたが、新耐震の場合、躯体の耐久性向上については手を付けない。化粧直しだけでなく、この先どれだけ使えるようにできるかが重要であり、青木茂建築工房さんのリファイニングは、そこに重点を置いている。また、ブレースを使うような耐震補強は賃貸住宅の商品性確保の上では難しく、その点でも同社の工法は画期的。社会的要請も大きいので、今後も積極的に取り組んでいく」などと語った。











改修中の建物内部。
耐震性を確保するため
不要な構造物を取り払い、
新たに耐震壁や袖壁を施工している




雨水による中性化が懸念される
最上階天井部の躯体は、
亜硝酸リチウムを直接躯体内部に
注入して浸透させることで
劣化対策を行なっている




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