2017/12/15 18:00更新
IoT住宅の機能安全国際標準規格化で進捗

「今後はさまざまな産業と連携しながら規格を
運用していきたい」などと述べる西尾氏


 ミサワホーム(株)と(株)ミサワホーム総合研究所は14日、同研究所が経済産業省の委託を受けて2016年度より取り組む「スマートハウスの機能安全に関する国際標準規格案の策定」について、マスコミ向けに進捗状況を報告した。


 現在の住宅におけるIoT関連システムは脆弱な状況であり、外部より各機器がつながった住宅内のネットワークに侵入され、悪意のある操作がなされるなどの危険が高い。また、住宅内で複数のIoT機器を実装しさまざまなシステムを連動させる場合、「窓を開ける」「窓を閉める」といった相反する命令が同時になされる可能性があり、事故等につながるリスクがある。
 そのため今回の国際標準規格では、セキュリティのみならず、製品を安全につくることを目的に、潜在的な危険性を見つけ出し除去・低減するリスクアセスメントを目標としている。2016年4月〜19年3月の事業期間で、IoTユースケースの抽出および安全ガイドラインを作成する。


 同社は、TBSハウジング渋谷(東京都渋谷区)のモデルハウスにユカイ工学(株)やmui Lab(株)等、さまざまなIoT機器関連メーカーの製品を実装。この1年間でワークショップを15回実施し、のべ268社426名とIoT住宅について議論してきた。同研究所フューチャーセンター市場企画室主任研究員の西尾英樹氏がその経緯を説明し、今回、国際電気標準会議が制定する国際規格(IEC規格)で「IEC63168(住宅)」という規格ができることが承認されたと報告。「5年を目途に最終的にインターナショナルスタンダードとして発行されると見込んでいる。今後は住宅だけではなく、さまざまな産業と連携しながら規格を運用していきたい」などと述べた。



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