2018/05/23 18:00更新
「社内、グループ内連携がカギ」/三井リアル
山代氏
「今後は事業間、グループ各社間の連携がカギになる」と語る山代氏


 三井不動産リアルティ(株)は22日、代表取締役社長の山代裕彦氏が専門誌記者と会見。2018年3月期業績や今後の事業方針等について語った。


 当期(17年4月1日〜3月31日)は、営業収益1,544億2,900万円(前期比5.5%増)、営業利益191億6,400万円(同3.5%減)、経常利益189億2,700万円(同4.1%減)。事業別の営業収益は、仲介事業が761億7,700万円(同4.6%増)、リパーク事業が762億6,300万円(同6.3%増)となり、初めてリパークが仲介を上回った。仲介実績は5月21日のニュースを参照。


 減益となったものの、4月からのFC店舗直営化に関連して発生したのれんの一括償却により損失が発生したことと、前期はリパーク事業のカード決済の売り上げ算定方法を変更したことによる約10億円の増益効果があったことから、「実質的には1割程度の増益とみている」(山代氏)。


 山代氏は仲介事業の市場環境について、順調に推移しているとした上で、「売り買いの情報バランスは、買いが若干弱含んでおり、成約までの期間がやや延びている。物件価格6,000万円以上の高額物件についてはより価格が上がっている」と分析。高額で取引される湾岸タワーマンションなどは、新築適地が少なくなってきており、既存物件の希少性がアップ。需要を引き上げているという。


 リパーク事業については、展開する46都道府県で順調に成長。ネット予約ができる空き駐車場シェアリングサービス「Toppi!」も全国1,300ヵ所まで増え、利用する会員も4万人に達した。「利益面では仲介の方が大きいが、リパークや賃貸管理は、将来の出口として当社の仲介を選んでもらうことにもつながる」(同氏)。


 4月1日からの全国のリハウスFC店の完全直営化についても言及。同社では、マーケティングや業務効率化、営業支援のデジタル化に向けた投資を積極化しており、「リハウスブランド全体で足並みをそろえるために、同じシステムや仕組みの導入費用がFC会社の収益を圧迫していた側面もあった。15年ごろから直営化に向けた協議を開始していた」(同氏)。直営化することで、今後店舗や人材、システムへの投資をよりスムーズにしていく。今期の年間のデジタル投資額は約30億〜40億円。人材投資と合わせて約50億円を継続的に投資する。


 同氏は「20年までに安定的に営業利益200億円を確保する体制は実現できそうだ。今後は、売買仲介・法人仲介・リパーク等の事業間連携、三井不動産グループ各社との連携がカギになる。まだ道半ばといった状態だが、個別事業だけでは成長に限界が見える。社員の意識改革を含め、他社・他部門への紹介がきちんと評価される仕組みづくりをしたい」と語った。



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