2019/07/22 18:00更新
PM工房社、コンセプト賃貸コンサルで新会社

「STAPLE HOUSE」室内。2層吹き抜けの大空間と、大きなハンモックが特徴


 コンセプト型賃貸物件の企画提案・管理を手掛ける(有)PM工房社は、新たにコンセプト型賃貸物件のオーナー向けコンサルティングを手掛ける合同会社「コンセプトエール」(東京都豊島区、代表社員:久保田大介氏)を設立。その設立記念イベントを20日、東京都町田市内の賃貸住宅「STAPLE HOUSE」で開催し、不動産オーナーや賃貸管理事業者など約40名が参加した。


 PM工房社は、「ワクワク」「楽しい」コンセプトのある賃貸住宅を市場から掘り起こし、自社運営のウェブマガジン「ワクワク賃貸」やSNSを通じたロングテール戦略でユーザーとマッチングする一方、オーナー向けにコンセプトに特化した賃貸住宅をプロデュースしてきた。今後は新会社により、オーナーへのコンセプト特化の賃貸住宅コンサルティングを加速していく方針。


 記念イベントでは、同社久保田社長と、会場となった「STAPLE HOUSE」の建築プロデュースを手掛けた(株)クリーク・アンド・リバー社建築グループ建築事業部セクションマネージャーの鈴木謙一氏が「行列のできるこれからの賃貸企画」をテーマにトークセッションを繰り広げた。


 「STAPLE HOUSE」は、JR横浜線「町田」駅徒歩19分に立地する3棟構成の戸建賃貸住宅。ガレージ・工房としても使えるシャッター付き土間(約15畳)、高さ5mの吹き抜け空間と、その一部を構成するハンモックなど、遊び心をちりばめた1LDK(専有面積約104平方メートル)。郊外・駅遠立地にもかかわらず、地元賃貸仲介会社の査定を2割以上上回る月額16万円で賃貸中。また、1戸は18年10月から時間貸しで運営しており、想定賃料の約2倍の収益を上げたため、月額賃料19万5,000円で募集したところ、4組の応募があったという。


 プロデュースを手掛けた鈴木氏は「駅から遠い上に、生産緑地が解放されればさらなる供給過多も予想される。広々とした生活が楽しめる郊外の良さをアピールしつつ、若い人が呼び込めるよう、ライフスタイルが楽しめる生活空間を提案した」と語った。また、ゴルフ好きユーザー向け賃貸住宅や、菜園付きテラス賃貸などのコンセプトがいずれも成功しているとアピールする一方で、「設計のプロの力が反映されている賃貸住宅は少ない」と画一的な賃貸住宅市場を憂いた。


 一方、久保田氏も「どんな商品でもコンセプトやテーマがあるはずなのに、賃貸住宅でコンセプトを設定しないほうがおかしい」と指摘。「個人の熱狂に応えられる」コンセプトに特化した賃貸住宅を作り、駅やエリアではなく「コンセプト」で探してもらえるよう、サイト等でのダイレクト発信やSNSを通じてアピールすることで集客していけると訴えた。



室内を見学するオーナーたち



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