2020/01/24 18:00更新
リフォームが中高齢者の生活習慣に好影響

 積水化学工業(株)住宅カンパニーの調査研究機関である(株)住環境研究所と生涯健康脳住宅研究所はこのほど、「リフォームによる中高齢者の健康効果の調査」結果を発表した。セキスイハイムに居住し、2017〜18年にリフォームを実施した平均年齢66.7歳の中高齢者を対象に、インターネット調査を実施。平均築年数は26.6年。調査時期は18年8月19〜9月9日、有効回答数は54件。


 両研究所では、「話食動眠(わしょくどうみん)」(「会話」「食事(調理)」「運動」「睡眠」)をサポートする機能を備えた住まいを研究しており、今回の調査では、リフォームによって「話食動眠」にどのような影響があったかを探った。


 キッチンを含むLDKリフォームの前後で生活状況や心身に変化があったかという問いには、「調理が億劫だと思う」(10点満点の平均得点、リフォーム前5.2点、リフォーム後2.4点)が減り、「気持ちが明るい」(同5.1点、同7.6点)、「生活が楽しい」(同5.4点、同7.6点)、「モノを片付けやすい」(同3.7点、同7.3点)、「親族・友人知人などを招きたい」(同4.4点、同7.1点)などの項目が、リフォーム後に向上。
 断熱リフォームの前後での変化については、「寒さ・暑さを感じること」(同6.3点、同3.3点)が減り、「家族が集まりやすくなった」(同6.4点、同8.2点)の回答が増加。住宅の温熱環境の改善がコミュニケーション活性化に効果があることが分かった。


 玄関回りリフォーム前後の変化では、「外出するのが楽しみ」(同4.8点、同6.5点)、「友人・知人との交流を積極的にしたい」(同5.5点、同6.9点)で有意差が見られ、行動力が増す傾向にあることが読み取れた。
 水回りリフォーム前後の変化については、「浴室の掃除がしやすい」(同4.1点、同7.2点)といった利便性のほか、「入浴が楽しみ」(同4.6点、同7.5点)、「リラックスできる」(同4.1点、同7.2点)、「気持ちが明るくなった」(同5.2点、同6.8点)、「寝つきが良い」(同4.6点、同6.2点)など多くの効果が表れている。


 今回の調査結果から、両研究所は、住まい全体を広範囲にリフォームすることは「話食動眠」の4つの生活習慣に幅広く好影響をもたらすことができるため、より健康な生活を長期化させる可能性があると考察している。



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