2020/06/04 18:00更新
野村不、オフィスの在り方調査する研究所開設

 野村不動産(株)は4日、新しいオフィスのあり方や価値に係る調査研究を実施する「HUMAN FIRST(ヒューマンファースト)研究所」を設立したと発表した。


 「HUMAN FIRST」とは、価値創造社会を生き抜くために、働く人の気持ちに寄り添い、個の能力を最大限発揮できる(=人の潜在能力を解放する)オフィスとサービスを提供する、という同社のオフィスビル事業の思想。同研究所では、企業や有識者とのパートナーシップの下、(1)価値創造社会における新しいオフィスの新条件、(2)「人間回帰」と「人間進化」を目指した、オフィス空間の研究、(3)企業経営に効果的な「生産性」の指標づくり(=オフィスへの投資と労働生産性向上の関係)といった研究や調査を実施。得られた知見を、新しいブランドや新サービスのプロトタイプ開発にも役立てていく。また、今後の協働研究におけるパートナーを広く募集していく予定。


 また同社は、同研究所開設にあたり実施した、東京と大阪で働くオフィスワーカーを対象とした「働く場所と生産性についての意識調査」の結果を発表した。価値創造社会およびWithコロナ時代におけるオフィスの新条件の抽出を目的に、オフィスワーカーの意識やニーズの変化を的確に把握するため定期的に実施していく。1回目の調査は、2020年4月7日の緊急事態宣言以降に週3日以上在宅勤務を経験した、東京と大阪に勤務するビジネスパーソン624名を対象に実施した。


 緊急事態宣言下における在宅勤務のパフォーマンスについて聞いたところ、57.5%が「よくできている」と回答。「できていない」と回答した人は14.1%にとどまった。在宅勤務の中でパフォーマンスが「上がった(または下がった)」と感じる項目では、「ワークライフバランス(61.6%)」、「集中力(38.7%)」、「心理的安全性(35.0%)」、「業務の効率性(34.9%)」は「上がった」との回答が多く、「肉体疲労(59.9%)」、「ストレス(34.1%)」は「下がった」との回答が多かった。
 また、本社や支社オフィスに出社して働くことについての考え方では、「本社や支社オフィスに毎日出社して働くべき」と考える人の割合が緊急事態宣言前(40.4%)から緊急事態宣言解除後(6.9%)にかけ大幅に低下。緊急事態宣言解除後は、「オフィス、在宅勤務、サテライトオフィスを組み合わせた活用がよい」の割合が上昇して72.4%とトップとなった。緊急事態宣言以前と現在で、主たる拠点となるオフィスに求める価値や役割が「変化した」との回答が64.4%に達した。
 緊急事態宣言以前は、オフィスに求めていた価値や役割の上位は、「コミュニケーションがとりやすい場所」「チームワークを最大化できる場所」「集中力が発揮できる場所」だったが、現在はこれらに加え「ワークライフバランスが実現できる場所(+13.1pt)」「リラックスして仕事ができる場所(+12.2pt)」のニーズが上昇していた。



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