2020/07/03 18:00更新
築10年マンション価格、新築時の9割超を維持

 (株)東京カンテイは2日、築10年の既存マンションのリセールバリュー(RV)に関する調査を実施した。築9〜11年が経過した分譲マンションを対象に2019年1〜12月の流通事例を抽出、売出価格と分譲当時の価格とを比較して算出した。専有面積30平方メートル未満、事務所・店舗用物件については集計対象外。また、一定件数以上のサンプルが確保できる駅を算出対象とした。


 2019年の首都圏平均RVは94.3%となった。対象物件は供給時期がミニバブル期とリーマン・ショック期をまたぐ形となったが、リーマン・ショックによるマンション価格への影響は小さかった。また、近年の新築マンション価格上昇を受け、既存マンション価格も上昇。築10年前後でも高値で売り出されるケースが多いという。


 首都圏でRVが算出可能だった駅は515駅。そのうちRVが100%以上となったのは157駅で、90〜100%未満も153駅となり、全体の約6割がRV90%以上という結果になった。同社では「前年から引き続き、職住近接ニーズによって都心のオフィスエリアへの通勤利便性に優れた駅のRVが高くなる傾向が表れた。一方、24駅のRVが7割を下回ったが、ほとんどが郊外エリアで都心へのアクセスに相応の時間を要する駅だった」とコメントする。


 駅別でみると、最もRVが高かったのはJR「原宿」駅の172.7%、新築分譲時の平均坪単価が482万3,000円だったのに対して築10年価格は832万9,000円だった。以下、JR「秋葉原」駅165.8%(新築時229万3,000円・築10年380万4,000円)、JR「千駄ヶ谷」駅147.0%(同514万8,000円・同756万6,000円)となった。


 近畿圏の平均RVは94.0%。RVが算出可能だった駅は251駅で、このうちRVが100%以上だったのは75駅、90〜100%未満は81駅と、首都圏同様に約6割がRV90%以上を記録している。


 駅別では、JR「大阪」駅がRV174.3%(同218万1,000円・同380万3,000円)でトップ。以下、JR「草津」駅139.8%(同138万7,000円・同193万9,000円)、京都市営地下鉄「三条京阪」駅137.5%(同221万8,000円・同305万1,000円)と続いた。



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