2020/07/09 18:00更新
「国土の長期展望」コロナ踏まえ課題整理

 国土交通省は8日、国土審議会計画推進部会 国土の長期展望専門委員会(委員長:増田寛也氏/東京大学公共政策大学院客員教授)の7回目となる会合を開催した。


 今回は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる暮らし方や住まい方の変化、産業・物流・サプライチェーンの変化を踏まえ、2050年の国土の目指す姿と実現に向けた方向性について課題整理を行なった。


 コロナによる新たな変化の可能性として「都市部への人口・産業の集中傾向が抑制される可能性」「複合災害(災害避難とパンデミック)への対応の可能性」「IT技術・デジタル化社会の浸透が加速」「国土利用・インフラ利用の高度化、公共施設・ホテル等の多目的化」や訪日外国人や在留外国人が今後増加するかどうか見通しが不透明である点などを指摘。主要な方向性として挙げてきた東京一極集中の是正、大都市圏への人口集中の抑制、地方中核都市のコンパクトシティ化などについて見直すべき点を議論した。


 委員からは「東京一極集中の是正が一時的なものなのか、不可逆的変化なのかを見極めていく必要がある」「通勤混雑がコロナ前にリバウンドしている。テレワークの普及を政策サイドが進めていくべき」「東京圏と地方圏とのデジタルインフラ、人材の差が問題になる」「自然災害についての国民的議論が必要」「コロナがあぶりだした国土の脆弱性を踏まえた新しい社会のあり方を提言すべき」「若者の地方回帰は一定の割合で進んでいる。大学と地元企業が連携するなどして、若者の取り込みを」などの意見が挙がった。


 同省は、今回の議論を踏まえた課題整理案(骨子案)を作成。委員会での議論を踏まえ、10月にも「2050年の国土の姿と課題解決に向けた主要な方向性」と「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた今後の展望」(いずれも仮題)を取りまとめ、公表。2021年夏をめどに最終とりまとめを行なう。



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