2020/07/14 18:00更新
房総半島台風踏まえ瓦屋根の施工基準を強化

 国土交通省は14日、社会資本整備審議会建築分科会 建築物等事故・災害対策部会(部会長:深尾精一首都大学東京名誉教授)の27回目となる会合を開き、令和元年房総半島台風を踏まえた建築物の強風対策等について審議した。


 同台風では、住宅の屋根瓦に大きな被害が発生したことから、専門家による調査を実施。建築基準法の告示基準では緊結対象となっていない「平部」の被害が多かった。一方、業界団体が定め新築住宅で普及が進んでいる「ガイドライン工法」はすべての瓦を緊結することとなっている。同台風においてもガイドライン工法の55%が「被害なし」だったのに対し非ガイドライン工法は44%と被害に差が出ており、非ガイドライン工法の瓦の風圧力による瓦の脱落被害は、ガイドライン工法の4倍以上に上っていた。


 そこで同省では、瓦屋根の新築時にガイドライン工法の採用を徹底するため、ガイドライン工法を建築基準法の告示基準とし、新築時に義務付ける方針を示した。ただし、既存不適格物件の増改築にあたっては増改築部分以外には適用しない。特に被害の大きかった沿岸部については、より被害を軽減するための緊結方法等についての検討を進めるほか、既存建築物の屋根ふき材の改修についても告示基準適合を進めるため、支援策の周知を進め、さらなる支援策を検討する。


 また、住宅・建築物の耐震化率のフォローアップのあり方に関する研究会のとりまとめを受けた建築物の耐震化の目標見直しについて明らかにした。これまでの「令和2年までに多数のものが利用する建築物の耐震化率95%」「令和7年までに耐震性の不足する耐震診断義務付け対象建築物をおおむね解消」という目標について、前者は他の所管官庁による耐震化率の目標の公表が進んでいることを踏まえ、建築物を耐震診断義務付け対象建築物に絞り、令和7年までにそれらを解消することを目標とするとした。



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