2020/09/18 18:00更新
「不動産共通ID」1年後の公開目指す

 (一社)不動産テック協会(RET)は17日、オンラインセミナーを開催。同協会のデータ流通部会の活動報告などを行なった。


 データ流通部会の活動報告会では、官公庁やテック企業らとの情報交換など、これまでの活動内容を紹介したほか、海外に比べて取引の透明性が低い日本の不動産市場が解決すべき課題を指摘しながら、レインズデータの活用や国による不動産総合データベース整備への取り組みの必要性などを訴えた。


 さらに、同協会が検討を進めている「不動産共通ID」に関する進捗状況等を説明。「不動産共通ID」とは、すべての不動産に対してIDを付与し、住所や登記簿情報をはじめとした、さまざまな情報と紐づけて公開するもので、不動産事業者や不動産テック企業がデータを活用して情報連携ができるようにすることを目指している。


 同協会では、不動産取引の透明度をアップし、取引の円滑化を図るために基盤データの構築を進めている。地図情報解析サービスを展開する(株)Geolonia(ジオロニア)と共同で検討を進めており、8月5日にはジオロニアが保有する日本全国の住所マスターデータをオープンデータとして公開。住所は「3丁目」「三丁目」などの表記ゆれが発生しやすく、「大字」や京都市内の「○○下る××」など特殊な表記もあり、コンピューターで処理することが難しかった。ジオロニアのデータはそうしたデータの表記を統一。緯度・経度のデータも公開している。


 今後、同協会ではマンションやアパートといった“物件名のある”不動産と住所データを紐づけてIDを付与していく作業に着手。その後、緯度・経度データを使って戸建てなど"物件名のない"ものも含めたすべての不動産に対してIDを付与する。「おおむね1年後にはすべての不動産にIDが付与できる予定」(同協会)だという。IDの整備後は、会員企業向けに無料公開するほか、非会員でも有償で利用できるようにして、広く活用を促進していく考え。



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