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アウトバウンド投資、前年同期比3倍に

2019/10/16 18:00更新

 (株)シービーアールイーは15日、調査レポート「日本発のアウトバウンド不動産投資2019年上期」を発表した。国内投資家による既存物件への直接投資のほか、国内の機関投資家の動向、不動産開発の動向についてまとめたもの。


 19年1〜6月の投資額は19億ドルとなり、前年同期比でおよそ3倍になった。投資先として最も投資額(直接投資)が大きかったのはアジア(9億3,000万ドル)、次いで米州(9億ドル)となった。アジア域内の投資先は、これまではシンガポールや韓国が主流だったが、中国における投資も拡大した。


 ディベロッパーや商社が組成した新たなファンドが、機関投資家による投資資金の受け皿となり、不動産ファンドによる取得が増加。不動産ファンドによる投資額は8億2,000万ドルで、半期の投資額としては05年以来最大となった。一方、機関投資家によるファンドおよびファンド・オブ・ファンズでの投資などを通した間接投資は、投資委託先である主要ゲートキーパーの動向から推計した結果、18年以降の70億ドル超に上るとした。


 同社では、「ディベロッパーや商社による、海外ビジネス拡大の意欲の高さやインカムリターンを求める機関投資家が不動産投資において地域的な多様性を求める動きが拡大しているため、日本発のアウトバウンド投資は引き続き拡大していく。一方で、景気後退への懸念から、やや慎重になる機関投資家も一部見られるため、拡大のペースは鈍化する可能性もある」とコメントしている。