三鬼商事(株)は16日、4月度の東京・大阪・神戸のオフィスビル最新状況レポートを発表した。
●東京の最新状況
東京ビジネス地区の4月末時点の平均空室率は3.23%、前月比0.02ポイント増とほぼ横ばいで推移している。
大型の拡張移転や新規進出の動きは落ち着いてきたが、前年のような勢いは見られず、賃貸条件により検討期間が長引くケースも増えている。
新築ビルについては引き合いは多いものの、企業のコスト意識から竣工直後に募集面積を残すビルも出てきている。しかし都心5区では、依然として品薄感が強く堅調。また大型既存ビルも、好条件の空室が少なくなってきたため引き合いが強まっており、賃貸相場も堅調に推移している。
●大阪の最新状況
大阪ビジネス地区の4月末時点の平均空室率は9.82%、南森町・船場地区などで大型解約が相次いだ影響で空室在庫が約7千坪増加し、前月比0.38ポイントの上昇となった。今後も新大阪地区での大型供給に伴う解約予告が予想されており、空室率の上昇はまだ続くものと見られている。
テナント企業の移転は落ち着いてきたものの、コールセンターとしての使用などに向けた設備面での対応が求められている。
依然として厳しい状況が続いているが、外資投資家による売買や証券化の動きが増えてきており、一刻も早い景気回復とオフィス需要の増加が待たれている。
●神戸の最新状況
神戸のビジネス地区の4月末時点の平均空室率は12.62%、オフィス需要の低迷やリストラによる撤退が続き、前月比0.30ポイントの上昇となった。外資系企業の誘致やアパレル、カルチャー教室などの新規出店の動きが唯一空室率の上昇に歯止めをかけている。
本年の新規供給は6月完成予定の「読売神戸ビル(延床面積2,008坪)1棟のみ。賃貸相場は新築ビルでは下げ止まったようであるが、既存ビルでは引き合いが弱く下落傾向が続いており、本格的な市況回復にはまだ時間がかかるものと思われる。