国土交通省は29日、「室内空気対策研究会」(委員長:今泉勝吉工学院大学名誉教授)が平成12年度に実施した、住宅室内の空気環境に関する全国調査結果を発表した。
調査は全国の住宅約4,600戸(有効データ約4,500戸)を対象に、蒸気拡散式分析法による簡易測定機器(測定バッジ)を用い、室内空気中の約24時間の平均濃度を測定した。
これによると、ホルムアルデヒドの平均濃度は0.071ppmと厚生労働省の濃度指針0.08ppmを下回ってはいたが、同指針を超える住宅が約27.3%あった。
またトルエンの平均濃度は0.038ppmで同省濃度指針0.07ppmを下回ったが、ここでも同指針を超える住宅が約12.3%、キシレンでは0.005ppmで濃度指針0.20ppmを下回っているが、同指針を超える住宅が0.13%あった。
エチルベンゼンの平均濃度は0.008ppmですべての住宅で濃度指針0.88ppmを下回り、同指針を超える住宅はなかった。
以上の結果から同研究会では、ホルムアルデヒド、トルエンの順に優先的に対策に取り組むべきであるとしている。
ホルムアルデヒド濃度を住宅属性別で比較すると、築後4~5年の住宅が最も濃度が高く、時間経過とともに低減するが、逆に築後2~3年および1年以内のものは濃度が低くなっていることが明らかとなった。これはシックハウス問題に配慮した建材等の普及によるものとしている。
また共同住宅と戸建て住宅とでは大きな濃度差は見られないが、日照の多い上層階や気密性の高い工法など、室温が高くなるほど濃度が高くなる傾向がみられた。
なお本調査の詳細はホームページhttp://www.iaq-research.com/にて近く公開される予定。
※同省では平成13年度の実態調査として、今回調査した住宅1,400戸のほか、新規調査対象として約2,000戸を公募する。詳しくは、
●国土交通省住宅局住宅生産課
林、真鍋 TEL.03-5253-8111(内線)39-428
●(財)住宅リフォ-ム・紛争処理支援センター
加藤、須藤 TEL. 03-3556-5125 まで。