(財)東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)は10日、2000年度の「首都圏における住宅取得難易度の推移と現状」について発表した。
これによると、2000年度における「一次取得」の住宅取得難易度は、物件価格のプラス要因と年収減少などのマイナス要因が相殺され、各物件で横ばいもしくは低下となった。マンションでは中古・新築ともに難易度指数は100を超え、ゆとりある取得が引き続き可能だが、戸建住宅は60~80台となり、やや困難となっている。
「買い換え」における取得難易度では、中古マンションの指数61.3ポイントは前年度に比べ▲17.1ポイントと大幅に低下した。新築マンションの指数は対前年度比▲11.5ポイントの61.9ポイント、戸建住宅は過去9年間で難易度指数が100を超えることはなく、いずれもゆとりのある買い替えは難しい状況となっている。
また、近年の金利は低水準を維持しているが、±1%の範囲でどの程度難易度が変化するかをシミュレーションした結果、2000年度の所得環境で金利が1%上昇した場合では中古マンションの一次取得には余裕があるが、新築マンションでは95.7と100を切り、ゆとりある購入がやや困難になる。買い替えでは金利が1%低下しても各物件で75を下回ったままで、金利による取得環境の改善は難しい。よって、住宅市場が減速しつつある現状から、不動産の取得及び買い替えを円滑にする税制・融資制度の支援策拡充が不可欠と考えられる。