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三鬼商事、東京・大阪の11月度「オフィスビル最新状況」発表

 三鬼商事(株)は7日、11月度の東京・大阪のオフィスビル最新状況レポートを発表した。

●東京の最新状況
 東京ビジネス地区の11月末時点の平均空室率は3.87%で、対前月比0.28ポイント増。11月は大型ビル新築ビル、大型既存ビルともに募集面積が増加したが、外資系企業やIT関連企業の動きが鈍ってきており、大型新築ビルについても、竣工時に募集面積を残すケースが出ているが、千代田区で「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」が高稼動で竣工しており、新築ビルの需要には底堅さが見られる。一方、大型既存ビルについては、来年以降の供給や統廃合に伴う大型の解約予告が続き、空室在庫が増加し、景気後退の影響が東京のオフィスビル市場にも出てきたが、都心5区の平均空室率は3%台で推移しており、市況は安定している。来年は延床面積約30万坪が新規で供給される予定だが、大型新築ビルの需要は旺盛なため、市況に大きな影響は出ないと思われ、すでに、来年に向けた引き合いが強まっており、成長企業の大型移転の動きが話題となっている。
 なお、渋谷区の平均空室率は3.60%(対前年同月比1.34ポイント増)と3%半ばに上昇した。これはリストラに伴う解約予告などの影響が出てきたことによるが、同区には条件のよい空室には品薄感がある。今年は新築ビル5棟が供給されたが、募集は好調で各ビルとも高稼動しており、来年も延床面積約1万2,000坪5棟が供給される。

●大阪の最新状況
 大阪ビジネス地区の11月末時点の平均空室率は9.56%(対前月比0.08ポイント増)。11月は淀屋橋・本町地区や心斎橋・難波地区の新築ビルの空室在庫が減少した。一方、梅田地区や淀屋橋・本町地区などの既存ビルの空室在庫が増加したため、同空室率が2ヵ月連続の上昇となった。新築ビルの需要は依然堅調で、来年は約4万坪の新規供給が予定されており、そのうち梅田地区が9割で、大規模ビル2棟が竣工を予定しているが、外部募集面積は少ないため、大きな影響は出ないと思われる。
 なお、心斎橋・難波地区の平均空室率は11.64%(対前月比▲1.21ポイント)。3月に竣工した「近鉄新難波ビル」は11月に入居が進み、ほぼ満室となった。また、同月は既存ビルの空室在庫も約700坪減少し、銀行や証券会社の統廃合の動きが引き続いているものの、飲食、物販、携帯ショップなどの出店が決まってきており、オフィス需要の動きは少ないが、店舗やソフトオフィスの需要が伸びていて、特にアメリカ村から西へ延びる南堀江周辺のテナントの動きが多く、賃料相場も上昇傾向にある。


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