三菱地所(株)と書籍・情報メディアの丸善(株)(1869年創業、東京都中央区、村田誠四郎社長)は7日、再開発中の「丸の内1丁目1街区(仮称)」(東京都千代田区、旧国鉄本社跡地)の開発計画A街区において、三菱地所が運営する商業ゾーンに「丸善・丸の内本店(仮称)」が出店することを明らかにした。
書籍の紹介・販売を行なう丸善は、東京都中央区日本橋において 52年にわたり「丸善・日本橋本店」を営業しているが、丸の内出店にあたり本店機能のすべてを日本橋から丸の内に移転させ、新規顧客を開拓するとともに、丸の内の図書館的役割を担う。
2004年8月竣工予定の「丸の内1丁目1街区」A街区は、三菱地所・日本生命保険相互・丸ノ内ホテルの3社が現在共同開発を進めており、敷地面積約15,900平方メートルにオフィス棟2棟(A・B棟)および商業棟(C棟)の計3棟で構成される。
「丸善・丸の内本店」が出店するのは地上17階建て、延床面積約35,000平方メートルのC棟で、丸善は同棟1階から4階の約5,520平方メートル(1,670坪)について三菱地所と賃貸借契約を締結、同街区および丸の内全体で最大規模のテナントとなる予定。
取り扱い書籍数は約120万冊で、主なフロア構成は1階:雑誌・総合サービスカウンター・クローク他、2階:一般書籍・コミック・セルフカフェ他、3階:専門書(ビジネス・経済・教育他)・文房具、4階:専門書(洋書・医学・理工学他)・ギャラリーカフェなど。日本橋本店でも取り扱っていないコミック類を首都圏店舗で初めて販売するほか、大型文房具フロア(約500平方メートル)の設置、書籍持ち込み可能な喫茶スペース(カフェ)の設置、(自費)出版サービスコーナーの設置、教育支援機能の拡充を図るとともに、あらゆる書籍の紹介・案内・相談に対応する「本のソムリエ」を各階に配置するなどして「多機能かつ次世代型の書店」をめざす。
初年度の目標売上高は60億円、2004年11月の開業を予定している。
なお、現在営業中の日本橋本店は、丸の内本店開店後も閉店せずに「日本橋店」として残留することが決定しているが、『建物の老朽化が激しいため、その後の具体的な展開については現段階で未定』(丸善・村田社長)としている。