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【編集部取材】三井不、GI-POFによる超高速回線の実証実験に参加

 三井不動産(株)は18日、2002年3月竣工予定の分譲マンション「パーク・ハイム自由が丘二丁目」(東京都目黒区、総戸数40戸)において、最高大容量プラスチック光ファイバー(GI-POF)を用いた世界初の「超高速ネットワークシステム」の実証実験に参加することを明らかにした。

 同プロジェクトは、経済産業省より委託を受けた (社)日本テレワークと三菱商事(株)が行なう共同事業で、マンション・小学校・大学内にGI-POFを敷設し、「超高速ネットワークシステム」を導入しすることで生活や教育がどの程度向上するかを検証する。
 GI-POFは、慶応義塾大学の小池康博教授が発明し、旭硝子(株)が開発・製品化に成功した「ルキナ」(全フッ素光学樹脂光ファイバー)を用いるプラスチックファイバーで、従来のグラスファイバーに比べ柔軟性に富み接続が容易であるとともに、ギガクラス(Gbps)の伝送速度が楽に確保できるという特性を持つ。
 実証実験を行なうにあたり、慶応義塾大学のITセンター(三田キャンパス内)にPDPモニターおよびStrorageを設置し、集合住宅実験施設となる「パーク・ハイム自由が丘二丁目」と1Gbps回線で接続する。なお、マンション内の各住戸にはパソコン・1テラバイトのStrorage・プラズマディスプレイの各1台が設置され、マンション内専用のコミュニティーサイトが併せて構築される。三井不動産では「具体的なコンテンツ内容は未定」としているが、超高速回線により非圧縮の動画配信が可能なため、各戸による室内コミュニケーション(常時放映)、定点観測カメラを用いた駐車場監視(防犯対策)、組合の理事会(インターネット会議)やイベント、リアルタイムの周辺情報提供、地域コミュニケーション(緊急時の病院連絡)等に利用される予定。
 また、教育実験施設となる慶応大学幼稚舎では、ITセンターおよび西町インターナショナルスクールとを100Mbps回線で接続し、慶応義塾大学教授による子供向け授業(情報)配信や、両校の児童がお絵書きソフト等を共用してコミュニケーションを図るなど、国際交流や地域交流を含めた各種プログラムが計画されている。
 なお、実証実験は2002年3月から2003年3月末までの1年間にわたり行なわれ、結果は次世代の10Gbpsイーサネット(LAN)構築への研究材料として用いられる計画。


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