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三鬼商事、東京・大阪の4月度「オフィスビル最新状況」発表

 三鬼商事(株)は10日、2002年4月度の東京・大阪のオフィスビル最新状況レポートを発表した。

【東京】
 東京ビジネス地区の4月末時点の平均空室率は5.25%(対前月比0.25ポイント増)で、7ヵ月連続の増加となり、空室面積は1ヵ月の間で約15,000坪の増加となった。その要因は、前年度の大手企業の解約分が4月になってから募集開始となったほか、依然としてリストラによる統廃合の動きが続いたことによるもの。しかし、都心5区においては、今後の大型供給に向けた移転計画が活発化しており、テナント企業の引き合いが増加傾向にある。また、今年竣工した大型新築ビルの募集状況についても、成約までに時間がかかる傾向にあるため、竣工後に入居が進むケースが増えているもののおおむね好調に推移しており、好条件のビルが相次いで高稼働を示している。大型既存ビルに至っても、好条件の大型ビルについては借り換え需要が多く、引き合いは強まっている傾向。
 また、港区の4月末時点の平均空室率は5.15%(前年同月比0.64ポイント増)で、前年後半よりリストラによる解約の影響から、同区においても空室率が5%を超える結果となった。今年の新規供給量は、延べ床面積約78,000坪(7棟)となる予定で、4月は大型ビル1棟が全館満室で竣工した。今春、都心5区での最大規模の供給となった「セレスティン芝三井不動産ビルディング(延べ床面積18,455坪)については、募集が好調に進み、竣工前の時点で全館満室となった。同区においては、大型新築ビルのオフィス需要は依然として旺盛であるため、今後の大型供給に向け引き合いは強まっており、空室率はやや上昇したものの堅調に推移しているものと思われる。

【大阪】
 大阪ビジネス地区の4月末時点の平均空室率は9.91%で、前月比▲0.08ポイントとなった。これは、淀屋橋・本町地区と船場地区の2地区において計2,600坪の空室在庫が減少したことが大きく寄与しているもの。さらに南森地区で約800坪、心斎橋・難波地区で約500坪の空室在庫が減少するなど、好調に推移し空室率は10%寸前で低下している。しかしながら、梅田地区で4月竣工の大型ビル1棟が募集面積を残したことやリストラの影響により、この1ヵ月で約27,000坪の空室在庫が増加。この影響により4月末時点の梅田地区の平均空室率は、前月比0.45ポイント上昇の7.93%となった。不況の影響で新規需要が限られている現状、テナント誘致にはより柔軟な対応が必要になってくると思われる。
 また、神戸地区の4月末時点の平均空室率は13.28%とり、対前年末比を0.28ポイント下げた。同地区では、今年は新規供給の予定がないため空室在庫解消が期待されているが、今春もオフィス需要が低迷、前年末から空室が少幅に減少するに留まっており、4月末時点の空室在庫は約35,000坪にもおよぶ。しかしながら、震災復興が進み、「そごう神戸」の全館改装し、ロフトや紀伊国屋書店などの人気テナントの誘致により、賑わいを取り戻しつつある。


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