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リクルートコスモス、品川の超高層マンションで証券化手法

 (株)リクルートコスモスは、大和証券SMBC(株)、(株)三井住友銀行、みずほアセット信託銀行(株)(旧・安田信託銀行(株))と共同で、長期開発型大規模マンションの開発資金を証券化により調達するスキームを構築したと発表。第一弾として、東京都港区で計画中の超高層マンション「品川シティタワープロジェクト(仮称)」(総戸数約600戸、地上40階)において開発資金約105億円の調達を予定する。

 具体的なスキームは、同社がプロジェクト開発資金の調達を目的に、資産流動化法上の特定目的会社(SPC)を設立。SPCは、同社からの優先出資と三井住友銀行、みずほアセット信託銀行、中央三井信託銀行からの特定目的借入を原資に事業用地を取得の後、取得した土地をみずほアセット銀行に信託し、信託受益権を取得する。また同社が不動産信託受託者と開発業務委託契約を結びプロジェクトを進め、建築確認後に不動産売買契約を結んで、売り主としてマンション販売を行なう。同時に、SPCは大和証券SMBCを主幹事として特定社債を発行し、投資家向けに販売することで特定目的借入を返済する。
 今回SPCが発行する特定社債は、証券化による分譲マンション開発資金調達で一般的な損害保険会社の保証を付さず、「A」および「BBB」の投資適格格付を取得する予定となっており、これにより低利率の特定社債発行を予定している。
 なお、設立したSPCは、慈善団体が株主となりケイマン諸島に設立したケイマンSPCが全普通株式を所有する、資産流動化法上の特定目的会社であり、同社との資本関係が完全に遮断されるとともに、スキーム上、不動産信託を活用し信託銀行が事業主体となることで、開発資金が同社財務からの完全なオフバランス化が可能となる。
 特定社債は2002年夏に予備格付けを取得、2002年秋に発行される予定。「品川シティタワープロジェクト(仮称)」は、2002年夏に着工、2002年秋に発売を開始し、2005年春に竣工を迎える予定となっている。


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