国土交通省は28日、平成12年年度まで新築住宅を対象に実施してきた「民間住宅建設資金実態調査」を、平成13年度からは中古住宅、リフォーム、賃貸住宅も対象に加え、調査内容も充実させて「住宅市場動向調査」として実施、その結果を発表した。
同調査は、注文住宅は平成12年中、分譲住宅、中古住宅、賃貸住宅、リフォーム住宅は平成12年度中に住宅を取得した方等を対象としている。
それによると、全国の注文住宅の建築資金調達先構成比は自己資金47.3%(前年度調査時46.2%)、借入金52.7%(同53.8%)で、自己資金の割合はほぼ横ばいで推移している。首都圏における注文住宅、分譲住宅、中古住宅、リフォーム住宅の購入資金調達状況は、分譲住宅は注文住宅、中古住宅に比べると必要資金が多く、借り入れ依存度が高いことから自己資金比率が低いことがわかった。また、必要資金が大きい注文住宅、分譲住宅においては公的金融が占める比率が他に比べて高い。
全国の注文住宅の平均建築費および延べ床面積は、近年ともに横ばいであったが、今回調査ではどちらも増加を示した。首都圏の平均延べ床面積は、注文住宅が最も広く、次いで分譲住宅、中古住宅という結果となった。なお、首都圏の賃貸住宅の平均延べ床面積は、45.5平方メートルで50平方メートル未満となっている。
建築主の平均年齢については、リフォーム住宅の平均年齢が最も高く、リフォームを実施するのは長く住まう傾向の現れと思われる。次いで注文住宅、中古住宅、分譲住宅となっており、最も若いのが賃貸住宅の34.4歳。首都圏の注文住宅については、52.3歳と他地域に比べ高くなっており、この要因としては土地取得費の高さなどが若年層の一戸建て取得を困難にしていると思われる。
首都圏の注文住宅、分譲住宅、中古住宅のローン負担率は、分譲住宅が20.0%と最も高く、次いで注文住宅17.4%、中古住宅16.4%となっており、その他の地域でも同様の順番となった。これは分譲住宅の取得費が最も高く、自己資金割合が最も低いことに起因していると思われる。
注文住宅、分譲住宅、中古住宅について「住宅の建築・購入にあたり影響をうけたこと」をみると、注文住宅では「従前住宅の売却価格」いう世帯比率が高く、二次取得者が多い注文住宅が従前住宅の売却価格に強い影響を受けていることがわかる。また、「税制等の行政施策に影響を受けた度合い」をみると、注文住宅、分譲住宅が中古住宅に比べ大きな影響を受けており、中でも首都圏の分譲住宅における影響が高くなっている。中古住宅の値が低いのは、借入額・借入費率が低く、住宅ローン減税の影響を比較的受けにくいためと考えられる。なお、二次取得者の割合は、注文住宅が分譲住宅、中古住宅に比べて高くなっている。
高齢者等対応設備の整備状況については、注文住宅、分譲住宅ではいずれの設備の装備率も従前の住宅に比べ大幅に増加している一方で、中古住宅、賃貸住宅の増加率は相対的に大きな変化は見られない。また設備の中では「廊下などが車椅子で通行可能な幅」の装備率は、「手すり」「段差のない室内」に比べると低く、これは緊要度がやや低いことやコストが他に比べてかかることが影響しているものと考えられる。
中古住宅購入時のリフォーム状況については、全体の7割が購入後にリフォームを実施しており、平均リフォーム額は200万円前後となっている。