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国土交通省、「室内空気中の化学物質濃度に関する実態調査結果」(平成13年度)発表

 国土交通省は5日、平成13年度の「室内空気中の化学物質濃度に関する実態調査結果」を発表した。

 同調査は、平成12年度の実態調査において、ホルムアルデヒドまたはトルエンの濃度が厚生労働省の定める室内濃度指針値を超えた住宅につき、追跡調査を実施したもの。調査期間は夏期(約8ヵ月後 平成13年6月~10月)および冬期(さらに4ヵ月後 平成13年11月~12月)の2回。また、全国で新築住宅を中心とした都道府県の協力・公募により、調査対象住宅の選定を行ない、さらに夏期に空気環境実態の新規調査も行なった。
 これによると、追跡調査の結果のうち、平成12年度時点で新築1年以内であった住宅を対象に集計したところ、ホルムアルデヒドの平均濃度およびトルエンの平均濃度は、12年度から13年度までの間に総じて低減する傾向がみられた。しかしながら、これは建材等に含まれる化学物質の発散が進んだこと、および換気に留意するなどの対策への配慮によるものと考えられる。
 また、新規調査のうち新築1年以内であった住宅を対象に集計したところ、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンのいずれも平均濃度がほぼ低減する傾向がみられ、シックハウス問題に配慮した建材等の選択の普及が一層広まったものと思われる。
 住宅の属性別にホルムアルデヒド平均濃度を見てみると、建て方別では13年度において「一戸建て」(0.051ppm)が「共同建て」(0.046ppm)よりもやや高い傾向であった。また構造別・種類別では、いずれも平成12年度からの低減が見られたが、中でも「公共賃貸住宅」について大きな低減(低減率42%)が見られた。測定室の階層別に見ると、「一戸建て」では上階が下階より高い傾向にあり、一方「共同住宅」では12年度において上階ほど高い傾向が見られたものの、13年度では階数による明確な傾向は見られなかった。

 なお、国土交通省では、平成14年度実態調査の実施にあたり、新規対象住宅(約800戸)の公募を受け付けている。公募受け付けは、(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター(担当:須藤、加藤、tel 03-3556-5101)まで。


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