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三鬼商事、東京・大阪の10月度「オフィスビル最新状況」

 三鬼商事(株)は8日、2002年10月度の東京・大阪のオフィスビル最新状況レポートを発表した。

【東京】
 東京ビジネス地区の10月末時点の平均空室率は、対前月比0.15ポイント増の6.51%。10月は大型既存ビルの空室在庫の増加傾向に歯止めがかかった一方、同月竣工の大型ビル6棟中4棟が募集面積を残したために空室率は小幅に上昇したが、2棟はほぼ満室で竣工しており、オフィス需要の堅調さを表す結果となった。
 テナント企業の移転傾向については、大手企業の統合・集約の動きは依然として活発であり、中小企業の借り換え移転計画もでてきている。しかしながら、オフィスコスト削減の要望は厳しいため、平均賃料は弱含みとなっており、テナント企業のニーズにどこまで柔軟な対応ができるかがオフィス見直しの活発化につながるとみられる。
 なお、港区の10月末時点の平均空室率は、対前年比3.50ポイント増の8.01%。大型新築ビルが募集面積を残していることや大手企業の統廃合の動きによるハイグレードなビルからの大型解約が相次いだためであり、その結果、都心5区での平均空室率が最も高水準となった。大型新築ビルの募集状況については、引き合いが多く、また大型既存ビルについても、割安感があり好条件のビルについては引き合いがでてくるため、テナント獲得競争の激化が予想される。

【大阪】
 大阪ビジネス地区の10月末時点の平均空室率は、対前月比0.22ポイント増の10.55%。特に梅田地区では、金融機関の統廃合に伴う解約や一部ビルからの大型募集の開始などが相次ぎ、空室在庫が約4,200坪増加した。船場地区や淀屋橋・本町地区でも大手企業のリストラに伴う影響が出ている一方、南森町地区では、グループ会社による館内増床などで空室在庫が約1,200坪減少し、依然店舗需要が旺盛な淀屋橋・本町地区では、新規出店などの動きもみられた。
 2003年前半の新規供給については、「銀泉備後町ビル」(2月完成予定、延床面積9,672坪)のほか、延床面積1,000~2,000坪規模のビルが5月までに3棟完成予定だが、市況への大きな影響はないとしている。
 なお、新大阪地区の10月末時点での平均空室率は前年末比1.10ポイント増の12.62%となった。同地区においても、新規需要やテナント企業の移転意欲が少なく、また他地区同様にリストラに伴う館内縮小などの動きがみられ、空室率の上昇にいたっている。


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