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住団連、「経営者の住宅景況感調査(1月度)」結果を発表

 (社)住宅生産団体連合会は29日、「経営者の住宅景況感調査(1月度)」の結果を発表した。

 同調査は、住宅業界の需要動向をタイムリーかつ的確に把握し、その情報を広く社会へ提供することを目的に、1993年10月より年4回、住団連理事・幹事等17社(うち回答15社)に対して、アンケート調査を実施しているもの。受注戸数、受注金額については、直近3ヵ月間の実績および向こう3ヵ月間の見通しを前年度比で「10%程度以上良い、5%程度良い、変わらず、5%程度悪い、10%程度以上悪い」の5段階でたずね、指数を算出している。
 これによると2002年第3四半期(2002年10~12月)実績の景況判断指数は、受注戸数でプラス3ポイント、受注金額でプラスマイナス0ポイントとなり、2000年度第1四半期以来、11四半期ぶりにプラスに転じた。この実績に対する各社は、「コスト競争力や地域対応力を高めた商品の強化が奏功」「販売強化戦略により受注増を達成」など商品力強化や販売強化戦略による成果とのコメントを寄せているが、その内容は「個人資産活用の手段として注目された」などと低層賃貸住宅の回復によるところが大きく、戸建注文および分譲住宅では依然として各社伸び悩む結果となっている。
 利用関係別にみると、戸建て注文住宅が受注戸数で前年同期比▲3ポイント、受注金額はプラスマイナス0ポイントと前期に比べ改善。戸建て分譲住宅は受注戸数、受注金額ともにプラスマイナス0ポイントとなった。また、低層賃貸住宅は、受注戸数、受注金額ともにプラス14ポイントと、前期からマイナスに転じた結果から一転、プラスを示した。毎期プラスマイナスを繰り返す低層賃貸住宅だが、おおむね堅調に推移している。

 2002年度第4四半期(2003年1月~3月)見通しは、受注戸数でプラス7ポイント、受注金額でプラス3ポイントと前年同月比プラスを予想。各社「経済環境の悪化懸念が顧客心理を冷え込ませる」などと警戒感を強めながらも、商品企画や販売強化努力による受注確保を見込んでいる。
 利用関係別では、戸建て注文住宅は受注戸数でプラス14ポイント、受注金額でプラス3ポイント。「悪くなりそう」と回答したのは3社のみで、市況は依然として厳しい状況が続くと認識しながらも、各社ともに受注持ち直しに向けての積極的姿勢が見られる。戸建て分譲住宅は受注戸数がプラスマイナス0ポイント、受注金額を▲4ポイントと予測。低層賃貸住宅については、受注戸数プラス18ポイント、受注金額をプラス14ポイントといずれも大幅なプラスを予想しており、各社のコメントを見ても「経営管理・入居管理・施設管理に至るまでの総合力を強化」など、受注拡大への意欲が見られる。

 なお、2002年度の新設住宅着工戸数の予測は113.0万戸と、2002年度4月時点での予測値110.9万戸を上方修正した。利用関係別の予測は、持家36.2万戸(2002年度4月時点予測値36.6万戸)、分譲住宅31.7万戸(同31.6万戸)、賃貸住宅44.1万戸(41.7万戸)。当初予測に比べると、賃貸住宅が強含みに変化している。
 また、2003年度の新設住宅着工戸数は111.6万戸と予測。利用関係別では、持家36.1万戸、分譲住宅30.9万戸、賃貸住宅43.5万戸を予測している。総戸数、利用関係別ともに本年度よりも減少の予測については、景気の先行き不透明感に対する警戒とともに、生前贈与による需要創出は見込めるものの、広く認知されるまでには時間も必要であり、厳しい状況は今しばらく続くと見ている。


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