(財)東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)は、マンション購入者の資産デフレの状況を把握するとともに、年収や貯蓄、住宅ローンの借り入れ条件などを加味した「買い換え難易度」を推計し、首都圏の不動産市場における現状分析を実施。その結果を明らかにした。
資産デフレについて、1976~2001年に新築マンションを購入し、2002年(1~12月)に売却、その売却価格をローン残債に充当したというモデルケースを設定し、どれだけの売却損益が出るかを調査した結果、88~97年の10年間にマンションを購入した場合は500万円以上、89~92年の5年間の平均では2,066万円の売却損が生じることが明らかになった。なお、最も多く売却損が生じているのは90年購入者の2,692万円。買い換え層で売却益を生じているのは86年以前、築16年以上の場合であることがわかった。
買い換え難易度〔年間返済可能額(年収の25%)/住宅ローン年間返済額×100〕では、88~97年は売却損のため100をきり、ゆとりある買い換え(年収の25%以内の返済)が難しい結果となった。89~92年は特に厳しく、75を下回り買い換え自体が困難。一方、87年以前は100を超えて一定のゆとりがあり、低価格で購入した98年以降も100を超えている。
また、住宅ストックに占める売却率(新規登録件数の比率)および取引率(成約件数の比率)では、88年から92年は売却率(平均8.5%)に比べて取引率が低く(平均2.4%)、取引のしにくさを示した。しかしながら、87年以前は売却率6%前後、取引率2%前後で概ね一定。93~98年についても、売却率4%前後、取引率1.5%前後で概ね一定となっている。
なお、詳細データについてはホームページで閲覧が可能。