新年度となる4月1日、不動産各社においても新たに不動産業界の一員となる新入社員を迎えるべく入社式が執り行なわれた。以下、各社入社式での社長挨拶の要旨。
■三井不動産(株) 代表取締役社長 岩沙 弘道氏
自らの人生を実りの多い魅力のあるものにしていくためには、「たゆまぬ自己研鑽」が必要である。自己研鑽を積んで自分を磨いていった結果として、全人格的に「魅力のある人間」になることができるわけだが、それが三井不動産の求めている人材の姿である。
「創造性とチャレンジ精神」を大いに発揮し、まだ既成概念が染み付いていない、そして若さの特権ともいうべき失敗を恐れないチャレンジ精神を持っている皆さんに、ぜひ持てる力をフルに発揮して、新たな時代を切り開いていってほしいと思う。
■三菱地所(株) 取締役社長 高木 茂氏
われわれ不動産業界並びに当社が生き残っていくためには、この大変革の波を捉えて素早く対応する必要がある。会社として常に精度の高いアンテナを張り巡らせて、変化をキャッチし幅広い高度なノウハウを駆使していかなければならない。
こうした動きの中で、新入社員の皆さんが十分力を発揮できるようになるため、3つのことをお願いしたい。1つめは社会人となったこれからが本当に勉強すべき時であること。日頃から知識と情報に関する鋭い感性を養い、不動産に関することなら何でも貪欲に吸収してほしい。2つめは「指示待ち人間」にならないこと。自ら知恵を出して行動できるよう常に考えながら仕事に取り組み自らを高めていってほしい。それが社内の活性化、個々の能力アップに繋がる。3つめは仕事をする上でチームワークを大切にすること。世の中が複雑化し、変革が著しい時代こそ、情報を共有し、それぞれの立場で議論を戦わせ、結論を導き出すという積み重ねが必要である。
■東京建物(株) 代表取締役社長 南 敬介氏
ここ数年の不動産証券化の進展と資産デフレの進行により、不動産業界は大変革の時代を迎えている。こうした激しい変革の時代に社会人になる皆さんは、自らの目を大きく見開き、事態を正確に注意深く観察し、得心のいく理解を重ね、認識を深くすることが重要である。
新しく、かつ変化する顧客・マーケット・時代に的確に対応し、価値を認められる質の高いサービスを提供するために、既存の枠にとらわれることなく、変革の潮流に勇気を持って挑戦し、新たなビジネスモデルの構築に果敢に取り組んでいただきたい。
新しい時代を担う当社社員として、意欲に溢れた皆さん自身の可能性を大きく広げ、「たゆまぬ自己変革」によって一日も早く成長し、活躍されることを心から期待する。
■森ビル(株) 社長 森 稔氏
六本木ヒルズがいよいよオープンを迎えようとしているが、現在、当社は単なるディベロッパーではなく快適都市生活創造産業を標榜し、人々の生活をより深め、より多彩に、より豊かにそしてより楽しくするよう努めており、それはまさに六本木ヒルズがめざすものである。
これからの産業構造や社会構造、生活構造の変化に対応した東京の新しい都市モデルとして、六本木ヒルズが世界に誇れる街となること、ひいては東京再生、日本再生にも貢献することをめざし、皆さんの若い力にも期待している。
■住友不動産(株) 社長 高島 準司氏
当社発展のカギは、イノベーションにある。過去の常識や習慣にとらわれず、高い目標をもって常に新しい発想で事業に取り組んできたことが、高い成長力につながっている。新入社員だからと遠慮することなく、若さを武器に積極的に参加して欲しい。
事業環境は非常に厳しいが、自他共に誇れる真のエクセレントカンパニーとなるため、厳しい環境を乗り越えて一段と高みをめざしたい。皆さんも、会社とともにどんどん成長し、当社の新時代の一翼を担う人材に育ってくれることを期待する。