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三鬼商事、東京・大阪の3月度「オフィスビル最新状況」発表

 三鬼商事(株)は11日、2003年3月度の東京・大阪の「オフィスビル最新状況レポート」を発表した。

【東京】
 東京ビジネス地区(都心5区)の2003年3月末時点の平均空室率は、対前月比0.19ポイント増の8.18%。3月は大企業の本社移転や集約、統合などに伴う解約の影響で、大型既存ビルの空室在庫が前月に引き続き増加した。大型既存ビルは、好条件の物件についても空室が増加しているため、オフィス見直しに伴う移転の動きが活発化。また、大企業の経営統合や新会社設立による新規需要も見られる中、積極的なテナント誘致策を打ち出すビルが増えており、新築、既存ビルを問わず募集競争に激しさが出てきている。
 なお、渋谷区における3月末時点の平均空室率は、対前年末比0.65ポイント増の7.63%。前年はIT関連企業や外資系企業の解約の動きが相次いだため、ハイグレードな大型ビルにも空室が出ている。一方、中型・小型ビル(基準階面積100坪未満)は、3月末時点の平均空室率が4~6%台と堅調であった。2003年の大型ビル新規供給量は4万6,000坪で、合計4棟が完成予定。すでに1月に完成した、当区で年間最大規模供給のビルは、全館満室になり好調な滑り出しを見せている。また大型既存ビルについても、割安感のある好条件のビルが多いため、今後の募集状況が期待されている。

【大阪】
 大阪ビジネス地区の2003年3月末時点の平均空室率は、対前月比0.07ポイント増の10.97%。同月は梅田地区で大企業の館内縮小や解約の動きが見られたほか、新大阪地区でもリストラに伴う返室などの動きが出たため、募集面積が増加。しかしながら、淀屋橋・本町地区・船場地区などでは割安感のある大型ビルに地区外からの借り換え移転が見られた。また、南森町地区でも空室在庫が減少しており、ビジネス地区全体では同空室率の上昇は小幅に止まっている。
 地区別に見ると、梅田地区や淀屋橋・本町地区、心斎橋・難波地区の空室率が高水準のため、ハイグレードな大型ビルにも空室が目立ってきている。このような状況下でテナント企業の要望により柔軟に対応するビルが増えてきており、新築、既存ビルを問わず積極的な誘致策を実施するケースが見られる。
 なお、南森町地区の3月末時点の平均空室率は対前年末比0.39ポイント減の9.69%。これは他地区に比べてリストラの影響が少なかったことや、経費削減の借り換え需要などが割安感のある好条件の大型ビルに出てきたことが好影響となったもの。また賃料相場については大幅に下落、3月末時点の平均賃料はビジネス地区で最も高水準の1万1,808円になっている。


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