ミサワエムアールディー(株)は26日、4大都市圏を中心とした2003年5月の「MISAWA-MRD不動産流通市場調査」の結果を発表した。
これによると、首都圏については、宅地、一戸建てともに引合件数の「増加」がそれぞれ前月比▲1.8ポイント・▲4.1ポイントと、やや減りつつも緩やかな増加傾向を維持、好調な市況が継続しているものと思われる。需給状態では、買手の存在を示す「売手市場」および「両者ともいる(売手・買手ともにいる)」の回答合計が、宅地では6割超、一戸建てについては過半数を占めるなど、引き続き潜在需要の根強さがうかがえる。一方、中古マンションについては、需給状態で買手の存在を示す「売手市場」および「両者ともいる(売手・買手ともにいる)」の回答合計が7.1ポイント増えて、34.3%となり、潜在需要はわずかに強まったものの、引合件数も減少傾向にあり、かつ価格動向の下降基調が続くなど、市場の停滞感がうかがえる。
中京圏では、宅地の引合件数・成約件数では需要期のピークを過ぎて「増加」回答は大きく減り、減少傾向となっている。ただし需給状態では、前月までの好調な市況を反映して潜在需要が増加。需給状態で買手の存在を示す回答合計は過半数を占た。一方、中古マンションは、買手の存在を示す回答が2割と少なく、購買需要は依然として低調、引合件数では減少傾向が強まり、市況の低迷はいっそう強まっている。
近畿圏では、宅地での買手の存在を示す回答が引き続き6割を超える結果となった。潜在需要は根強いものの、一戸建てとともに価格動向では先安感が強く、引合件数の「増加」が15.4ポイント・17.0ポイントと大幅に減少、市況は低下局面を迎えているとみられる。中古マンションについては、「買い手の存在」が8.8ポイント増加して潜在需要が若干強まってはいるものの、価格動向では強い下降基調が続いており、市況の低調さがうかがえる。
福岡圏では、宅地の需給状態で、他地域とくらべて水準は低いものの、買手の存在を示す回答は3割超まで回復。価格動向でも下降傾向が緩みいくぶん安定感を取り戻している。それを受けて購買行動の「増加」が増え、引合件数・成約件数ともに増加傾向となっている。一戸建てでは買手の存在を示す回答が6割を超えており、根強い購買需要を受けて、引合件数は依然増加傾向を継続している。中古マンションでは、買手の存在を示す回答が3割に迫ってはいるものの、引合件数・成約件数ともに「増加」が減り、市況は再び低下している。
全体的には、春の需要期のピークを過ぎて、市況の盛り上がりも一段落といった感が強いが、首都圏の引合件数の増加の維持や福岡圏の宅地においては価格の下落傾向が緩み、11ヵ月ぶりに増加傾向となるなど、好調な推移もみられた。特に首都圏の宅地では、「買い手の存在」を示す回答が6割超を占めるなど、旺盛な購買需要を背景とした良好な市況が続いている。