東急不動産(株)の関連会社である(株)東急住生活研究所(東京都渋谷区、社長:二見英二氏)は3日、「サラリーマンの住まい意識調査」の結果をまとめ、発表した。
同調査は、首都圏に本社のある東証1部上場、東証2部上場、および店頭登録企業に勤めるサラリーマンを対象として、毎年1月にアンケート調査を実施しているもの。第18回目となる今回は1,600名を対象に実施、636名から有効回答を得た(有効回収率39.8%)。回答者の平均年齢は40.4歳、平均世帯年収は799万円。
これによると、長期・短期を含め住宅購入計画のある人は、30歳代を中心に全体の25.3%と、2001年以降ほぼ横ばいで推移。持ち家率についても30歳代前半の割合が上昇傾向にあるなど、住宅取得時期の若年化が見られ、分譲価格の下落や金利の低下などの市場環境下において、今後も若年層を中心とした購入マインドが続くものと見られる。
具体的な住宅購入計画は、希望立地として最も多い「近郊(60分圏内)」が若干減少した一方、「都心」および「近郊(30分圏内)」の割合が微増となり、時間・距離の近い立地への関心が高まっている。4年連続で下落が続いていた購入予算については、3,786万円(前年比75万円増)とやや上昇。立地に見合った適正価格が認められ、一部では上昇することも考えられる。
また「10年後の住まい」について、「10年後に住んでいると思われる住宅タイプ」を尋ねたところ、現在の住居と持ち家の割合を比べると、30歳代前半が30.6%から69.3%に、40歳代についても60.0%から82.7%といずれも上昇。今後10年以内に住宅を取得することを想定していることがわかった。なお、「所有か賃貸か」については、住宅を「自己所有したい」人は64.9%と6割以上を占め、「賃貸でよい」との回答は依然少数派となった。
「10年後の住まいに関して重視していると思う点」については、「日常生活の利便性」が最も多く、年齢を問わず8割近くを占めた。これに加え、現在30歳代前半の人は「通勤・通学の利便性」を重視(7割強)。一方現在50歳代前半の人は、10年後のリタイアなどを見越して「防犯・管理体制」や「医療環境」「健康・環境への配慮」等へ関心が移っている。
また、持ち家率が約9割を占める50歳代前半の人に、「持ち家の10年後」について聞いたところ、「改築・リフォームをして引き続き住む」との回答が65.6%と、全体の半数以上を占めた。しかしながら、10年後の住まいが「終の住処」かどうかについては、28.7%が「終の住処とはいえない」と回答しており、更なる住み替えの可能性もうかがえる。
「10年後の住まいの地域」については、東京城西南を中心とする需要が見られた。現住居の所在地別では、神奈川県在住者の過半数が横浜周辺エリアを選択するなど、現住居に近い地域を希望する傾向が見られる一方、千葉県在住者では東京城西南地域や多摩エリアへの流出が目立ち、首都圏における都心回帰の影響により、需要が集中しているものと思われる。