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全宅連・総合教育研修センター、「中小不動産業経営動向調査」結果発表

 (社)全国宅地建物取引業協会連合会(略称:全宅連)・総合教育研修センターは、4半期ごとに行なわれている「中小不動産業経営動向調査」の2003年6月1日時点における結果を発表した。不動産業者の経営動向を探るとともに景況感を把握することを目的とし、調査対象は会員業者約11万4,000社から無作為に選択した1,069社で、回収数は488社(回収率45.7%)。

 これによると、6月1日時点の経営動向指数は▲25.4ポイントで、前回調査時(▲25.2)との変化幅は▲0.2ポイント。また、今後の見通し指数は▲27.9ポイントで、予測変化幅は11.1ポイントとなった。
 地域別経営動向指数は、関東、中国・四国で下落傾向を示しているが、今後の見通しの指数については中部、近畿、中国・四国で上昇傾向を予測する指数となっている。
 主たる業務別経営動向指数は、開発売買が▲21.4(前回調査時▲15.8)、仲介管理▲26.4(同▲27.9)を示しており、今後の見通しについても開発売買が▲29.6、仲介管理▲27.4と下落傾向となっている。
 業務内容別売上比率(%)は、売買仲介(33.1)、賃貸仲介(22.2)、管理(15.4)、売買(14.4)、賃貸(8.2)、開発(6.7)。
 また経営上の問題点としては、前回同様「地価下落」という回答が最も多く、以下「貸し渋り」、「賃貸」(家賃滞納・空室増加)、「不安」(金融・経済・社会)、「規制」(都市計画法、農地法、開発指導要綱等)、「税制」(登録免許税・譲渡税・消費税・所得税・相続税)、景気後退、その他(地域の状況・大手の参入等)と続いた。
 なお、これらの結果を受けて全宅連では、現況は前回調査時と変わらないものの、今後の見通しに関しては「悪くなる」との回答が減少し、「景気の底」を感じさせるとしている。経営上の障害として「地価下落」「貸し渋り」をあげる回答者は依然多いが、同業の中小企業者との競争激化をあげる者が増えたのが今回の特徴であり、一部には新しい経営手法での成功・改善事例も見られた。


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