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公正取引委員会、「マンションの管理・保守をめぐる競争の実態」を調査

 公正取引委員会は24日、「マンションの管理・保守をめぐる競争の実態に関する調査」の調査結果を明らかにした。

 同調査は、マンションの管理・保守において、管理組合が管理業者等との取引内容や取引先を見直す際に参考となる基本情報を整理するとともに、業者を変更する上で障害となるおそれのある行為について、その実態を調査し、独占禁止法上問題となるおそれのある場合の考え方を明確にすることを目的に実施したもの。全国マンション管理組合連合会加盟の管理組合1,734組合を対象にアンケート調査を実施し(回収率42.7%)、さらに関係会社や団体等40社に対して、ヒアリング調査を行なった。
 これによると、7割近くの管理組合が、現在何らかの業務を管理業者に委託しており、その中でも管理費の縮減に向けた取組み等を行なっている管理組合は4割を超える結果となった。
 管理業者の選定については、ほぼすべてのマンションにおいて分譲時に分譲会社が管理業者を指定。管理業者の変更を検討している管理組合は約半数を占めた。しかしながら、約4分の1の管理組合が管理委託契約書の内容が業者変更の障害となったと答えており、また3分の1強が既存の管理業者等の行為が管理業者変更の障害となったと回答している。
 このほか、エレベーターや自動ドア等の設備の保守契約については、主要メーカー系の保守業者の占めるシェアが高く、自社系列系の設備以外の設備保守はほとんど行なっていないものの、他の独立系保守業者よりも設備保守料金が概して高いということが分かった。
 こうした結果を受け、公正取引委員会では、競争政策の観点から、管理組合が取引内容や取引先を自由に見直せる環境の確保が重要とし、管理組合による取引の見直しを制限するような管理委託契約の締結や、その他の妨害行為は独占禁止法上問題となる場合もあると説明。また、主要メーカー系保守業者が独立系保守業者に対し専用部品の供給を制限するような行為についても、独占禁止法上問題となる場合があるとの見解を示した。


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