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国交省、「平成15年度土地の動向に関する年次報告」を発表

 国土交通省は11日、「平成15年度土地の動向に関する年次報告」および「平成16年度において土地に関して講じようとする基本的な施策」を発表した。

 これによると、わが国の土地市場は実需中心の市場へと変化しており、利用価値により価格を形成する傾向がいっそう強まる中、地価の動向にも変化の兆しが見られるようになってきている。また不動産取引市場や土地利用についても、全国の土地取引件数が減少傾向にある中で東京都心部を中心に取引が活発化。不動産証券化といった新しい形での土地需要が拡大するとともに、都市部において工場用地が住宅や商業施設などに利用転換される傾向があり、都心回帰減少も継続している。
 人口動向の変化とそれに伴う土地需要の動向については、2006年をピークに人口が減少、世帯数も2015年をピークに減少する見込みとなっており、今後長期的には、住宅地をはじめとする土地の新規需要は逓減することが予測される。

 土地の有効利用のための課題としては、土地情報の整備・提供、地籍調査の推進、不動産鑑定評価制度の充実、土地税制の活用などが挙げられた。また、環境・景観保全や農地・山林を活用する取り組みについても、土地の利用価値を高め、有効利用を図るものとして挙げられている。

 なお「平成16年度において土地に関して講じようとする基本的な施策」の概要としては、土地利用計画の整備・充実等、都市再生の推進、都市基盤施設整備の促進、低・未利用地等の有効利用の促進などが挙げられた。


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