旭化成ホームズ(株)は14日、北海道大学および産業技術総合研究所の協力のもと開発した、戸建住宅向け「地中熱利用冷暖房システム」の発表会を開催した。
地中熱利用冷暖房システムとは、年間を通して15度と一定の温度を保つ地中熱の熱源を利用し、同社独自で開発した銅管杭にチューブを10m埋め、その中に不凍液を循環させることにより熱交換を行なうというもの。その地中熱交換器からヒートポンプ(室外機の熱交換ユニット)で熱を冷却または暖めた後、室内機で冷房や暖房に使用される。
システムの特徴は、空気中に排熱しないためヒートアイランド抑制効果があるなどの環境保護効果のほか、ランニングコストが年間5.2万円と、ガス温水床暖房システムの同8.8万円を大きく下回ること。また、ファンのない室外機であることから、騒音もない。
従来のシステムはコスト高や設備機器が大きいことなどから、戸建住宅ではほとんど普及していなかったが、同システムの開発により、トータル費用360万円程度で設置することが可能となる(エアコンでは160万円程度)。さらに現在申請手続き中のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による助成金制度を利用すれば、240万円程度で設置できる。
同社ではすでに実際の住宅で同システムの実証実験を終えており、7月をめどに同社商品へーベルハウスの設備仕様として販売していくとしている。年間販売目標は500台。