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JLL、JREIT市場の動向についてレポートを発表

 ジョーンズラングラサール(株)(東京都千代田区、代表取締役:濱岡洋一郎氏)(略称:JLL)はこのほど、「J-REIT(不動産投資信託)市場、今後の行方は」と題したレポートをまとめた。その中で、機関投資家らから注目を集め、急拡大しているJREIT市場は、今後、長期金利の上昇と相対的に高利回りの魅力が薄れていく中で、適正な水準を模索する局面へと移行するだろうと分析している。

 2001年9月のスタート以来、04年6月末までに13銘柄、時価総額1.3兆円の規模に達するなど、急成長をとげている。現在も、上場をめざすファンドも多数あり、今後も継続的な新規上場が見込まれ、今後1年間で時価総額2兆円規模へ拡大していくものとしている。

 注目のポイントとしては、「物件取得と利益相反」をあげている。物件取得競争が激化する中で、情報提供や取得交渉で優位な立場を築くためには、不動産会社との関係を強めることが必要となる。しかし、それは同時に取引の透明性、利益相反の懸念を高めることにつながるため、現在は内部のコンプライアンス体制に依存しているが、将来的には第三者による外部監視システムの導入が待たれるとしている。
 そのほかのポイントとしては、「物件取得方法の拡充とリスク管理」「内部成長と外部成長」「個人投資家層の拡大」「市場透明度と投資パフォーマンス測定」をあげている。

 今後は、今後の最大のリスクの1つと考えられる、長期金利の上昇に注目すべきだとしている。同社アソシエイトディレクターのレスリー・チェア氏は「これまで高利回りが魅力であったが、長期金利の上昇による利回りの格差縮小につれ、徐々にその魅力がうすれてきている。今後JREIT市場は、適性と思われる落ち着きどころを模索していく局面となっていくことだろう。投資家にとっては、JREIT投資のリスク・プレミアムを検証する必要がありそうだ」と述べている。


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