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ミサワホ-ム、高減衰ゴムを利用した次世代耐震構造「MGEO」新発売

「MGEO(エムジオ)」制震パネル

 ミサワホ-ム(株)は24日、住友ゴムグル-プのSRIハイブリット(株)と共同開発した次世代耐震構造「MGEO(エムジオ)」を12月10日より販売すると発表。発売に先駆けて11月24日記者発表を行なった。

 同商品は、変形を熱エネルギーに変換し振動を吸収するという特徴を持つ「高減衰ゴム」を利用し開発された「制震パネル」を利用したもの。建築面積100平方メートル以下の2階建て住宅において、幅91cm、高さ273cm、重量170キログラムの制震パネルを1階壁部分に2ヵ所設置。減衰装置に組み込まれた高減衰ゴムが、自身の振動エネルギーを熱エネルギーに変換することで、住宅の揺れを小さくかつ素早く抑える。
 
 ミサワホ-ムでは、1997年に東京大学と2004年には明治大学と共同で実大振実験を実施。阪神大震災クラス(818gal)の揺れではクロスの切れなどもみられず、1,200galの加速度をかけた時点で同商品と従来の耐震構造を比較すると、変位量でおよそ2分の1以下、振動の収束時間は3分の2に短縮されていることが確認された。建物自体の「耐震」機能に加え、受け止めたエネルギーを「制震パネル」で急速に減衰させることで、大きな揺れから小さな揺れまで対応が可能となったという。
 「当社では、以前より免震住宅も提供してまいりましたが、この免震技術を採用するためには、地盤や隣地境界、作動条件などの制約がありました。今回、耐震技術と制震技術を組合することで、すべてのお客さまへの安全で安心な住宅の提供が実現しました」(ミサワホーム(株)執行役員 商品開発部チーフマネージャー:平田俊次氏)。

 発売記念として1棟あたり税込み50万円(建築面積100平方メートル以下、2004年度中)で設置可能。年間販売3,000棟をめざす。なお、今回は、木質戸建商品のみの販売となるが、今後はセラミック系住宅への対応も検討中という。


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